1. 主よ。 どれほどお慕いしていることでしょう! こんなにもすばらしいことをしてくださった主を。
2. 主は、安心して立てこもれるとりでです。 だれ一人、そこまで入って来て、私を殺すことはできません。 主は、身を隠すのに絶好の険しい山、私の救い主、だれも近づくことのできない岩、安全を保証する塔です。 また私の盾、めっぽう強い闘牛の角です。
3. 私はただ、主に叫び求めさえすればよいのです。 そうすれば、あらゆる敵から助けてくださいます。 ああ、主をほめたたえよ。
4. 死の鎖が私に巻きつき、滅びが洪水のように押し寄せてきました。
5. 私は罠に落ち、助けてくれる人もなく、死へと引きずり込む綱の力に抵抗してもがきました。
6. 力尽きる思いの中で、私は主の助けを叫び求めました。 その声を、主は天から聞いてくださいました。 叫びは届いたのです。
7. その時、大地は大揺れに揺れ、山々は震えわななきました。 その揺れ方といったらありません。 神様のお怒りのせいです。
8. 神様の口からはすさまじい炎が吹き出して、地を焼き尽くし、鼻からは煙が立ちのぼりました。
9. 主は天を押し曲げて降りて来て、私を救ってくださいました。 御足の下には、暗やみがたちこめていました。
10. 主はケルビム(天使)にまたがり、風を翼とし、矢のように速く、助けに来てくださいました。
11. 暗やみを身にまとい、一寸先もわからない濃い黒雲におおわれて、近づいてくださいました。
12. 突然、いなずまと雹の嵐を伴って、お姿が、雲間から輝きました。
13. 雷のような声が天空にとどろき、神の中の神がお語りになったのです。 ああ、雹が。 そして、火が!
14. 主はいなずまを恐怖の矢として放ち、私の敵をかき乱しました。 あの逃げ惑うさまを見てください。
15. 主よ、ご命令のままに海の水は引き、あなたのすさまじい鼻息で、海の底はむき出しになりました。
16. 主は天から下って来て、私を大きな試練から助け出してくださいました。 深い海の底から引き上げてくださったのです。
17. その手にかかって、手も足も出なかった私を、頑強な敵から、私を憎む者から救い出してくださいました。
18. 彼らは、弱りきっている私に襲いかかりました。 しかし、主は私をしっかり支え、
19. 安全な場所へ連れ出してくださいました。私を喜びとされたからです。
20. 正しいことを行ない、潔白であった点に、報いてくださったのです。
21. 私はご命令に従い、主に背を向け、罪を犯すようなことはしませんでした。
22. いつも主のおきてを目の前に掲げ、一つたりとも捨てたりはしなかったのです。
23. おきてを守ることに全力を尽くし、悪行への誘惑を振り払い続けました。
24. それにこたえて、主は祝福を下さったのです。 私が正しいことを行ない、純粋な思いをいだいていたことを、ご存じなのです。 私の一挙手一投足に目を留めておられるのですから。
25. 主よ。 あなたは、恵み深い者に対してはなんと恵み深くあられることでしょう。 また、悪の道から引き返す者には罰をお加えになりません。
26. 心のきよい者には祝福を、主の道からそれる者には苦痛をお与えになります。
27. 謙そんな者をお救いになりますが、高慢で横柄な者は有罪に定めます。
28. 主は、私に明かりをともしてくださいました。 神様は、私を囲むやみを光に変えてくださいました。
29. 今や私には、どんなに高い城壁でもよじ登り、どんなに強力な軍隊でも襲う力が与えられています。
30. なんとすばらしい神様でしょう! 神様はあらゆる点で全く完全です! そのお約束がすべて真実であることは、明らかです。 その背後に隠れる者には、盾となってくださいます。
31. 私たちの主のほかに、だれが神でありえましょう。 だれが不動の岩でありえましょう。
32. 主は私に力をみなぎらせ、行く先々でお守りくださいます。
33. 私の足を、岩山ででもしっかり立つ野やぎのようにし、絶壁の上をも安全に導いてくださいます。
34. 戦いに備えて私を鍛え、鉄の弓さえ引く力を与えてくださいます。
35. 主の救いは私の盾です。 ああ主よ。 右の御手が私を支えています。 主のご温情のおかげで、私は名の知れた者となりました。
36. 主は、私を大またで歩かせ、しかも足がすべらないようにしてくださいました。
37. 私は敵を追撃し、一人残らず倒すまでは引き返しませんでした。
38. 連中を地面に突き刺してやりました。 敵はたじたじとなり、私はその首を踏んづけてやりました。
39. 戦いに臨んで、頑丈なよろいを着せていただいたおかげです。 敵は私を見ておじ気づき、足もとに倒れ伏します。
40. 主が、背を向けて逃げるように仕向けたので、私を憎む者を皆殺しにすることができました。
41. 大声で助けを求めても、だれひとり彼らを助ける者はいませんでした。 そこで、彼らは主に向かって叫びましたが、返事がありません。
42. 私は、ここぞとばかり彼らをちりのように粉々に砕き、空中高くまき散らしました。 彼らを、床を掃くように掃き捨てました。
43-45. 神様は、次々と戦いに勝利をもたらしてくださいました。 諸国民は私のもとに来て、仕えるようになりました。 知りもしなかった国民までが、やって来てひれ伏すのです。 全く面識のない外国人が、いとも簡単に恭順の意を表わします。 震えながら、とりでから出て来るのです。
46. 主は生きておられます! 大いなる救いの岩である主をほめたたえよ。
47. 神様は私に害を加える者に報復し、目の前の国々を制圧してくださいます。
48. 敵に囲まれた私を助け出して、手の届かない安全な場所に移し、猛威をふるう相手から救ってくださいます。
49. ですから、私は主を国々の間でほめたたえます。
50. 主から王に定められた私は、幾度となく、奇蹟的に救い出されました。 いつも愛と恵みを注いでいただきました。 子孫をも同様に、お恵みくださることでしょう。