チャプター

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  10. 10
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  18. 18
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  21. 21

旧約聖書

新約聖書

ヨハネによる福音書 10 リビングバイブル (JLB)

1.  「よく言っておきます。 羊の囲いの中に、門から入らないで、柵を乗り越えて忍び込む者は、強盗に違いありません。

2. 羊飼いなら、堂々と門から入って来るはずです。 

3. 門番も羊飼いには門を開けてくれます。 彼の声を聞くと、羊は回りに駆け寄って来ます。 羊飼いは一匹一匹自分の羊の名を呼んで連れ出すのです。 

4. 先頭に立つのは羊飼い、羊はそのあとについて行きます。 声を知っているからです。 

5. 知らない人にはついて行きません。 反対に逃げ出します。 聞き覚えのない声だからです。」

6.  イエスがこのたとえ話をなさっても、聞いている人々には、どういう意味かさっぱりわかりません。 

7. そこで、イエスは説明なさいました。「いいですか。 わたしが、羊の出入りする門なのです。 

8. わたしより前に来た人々はみな、どろぼうか強盗です。 ほんとうの羊は、彼らの言うことは聞きませんでした。 

9. そう、わたしは門なのです。 この門から入る者は救われます。 また、安心して出入りができ、緑の牧草を見つけるのです。 

10. 強盗は、盗んだり、殺したり、滅ぼしたりするために来ます。 しかしわたしが来たのは、いのちを、あふれるほど豊かに与えるためです。

11.  わたしはまた、良い羊飼いです。 良い羊飼いは羊のためにはいのちも捨てます。 

12. 雇い人は、狼が来れば、羊など見向きもせず、自分だけ、すぐに逃げ出します。 羊の持ち主でも、羊飼いでもないからです。 こうして狼は羊にとびかかり、群れを追い散らしてしまうのです。 

13. 雇い人は、ただ、お金で雇われているだけです。 羊のことを、ほんとうに心にかけているわけではないので、平気で逃げてしまうのです。

14.  わたしは良い羊飼いであり、自分の羊を知っています。 また羊もわたしを知っています。 

15. わたしの父がわたしを知っておられ、わたしも父を知っているのと同じです。 わたしは羊のためにいのちを捨てるのです。 

16. このほかに、別の囲いにも羊がいます。 その羊をも導かなければなりません。 やがてその羊も、わたしの声に注意深く聞き従い、一人の羊飼いのもとに一つの群れとなるのです。

17.  わたしが、再びいのちを得るために、いのちを投げ出すからこそ、父はわたしを愛してくださいます。 

18. だれもわたしの意に反して、わたしを殺すことはできません。 自分から進んでいのちを捨てるのです。 わたしには、いのちを自由に捨て、もう一度それを得る権威と力があるからです。 父がこの権威を下さったのです。」

19.  この話のことで、ユダヤ人の指導者たちの意見は、また真っ二つに分かれました。 

20. 「こいつは悪霊に取りつかれてるか、それとも気が変になってるかだ。 こんなやつの言うことに耳を貸す必要なんかあるもんか」と息まく者があるかと思えば、 

21. 「いいや、とても悪霊に取りつかれた者のことばとは思えないな。 だいいち、悪霊に盲人の目を開けることなんかできるはずもないだろう」と言い返す者も出るというしまつです。宮きよめの祭りにおけるイエス

22-23. 時は冬でした。 宮きよめの祭りがあり、イエスもエルサレムにおられました。 ちょうど、宮の中のソロモンの廊と呼ばれる所を歩いておられると、 

24. ユダヤ人の指導者たちが来て、まわりを取り囲みました。 「いつまで気をもませるつもりです? キリスト様なら、はっきりそう言ったらいいでしょう。」

25.  彼らの質問に、イエスはお答えになりました。 「そのことだったら、もう話しました。 もっとも、あなたがたは信じませんでしたが。 父の御名によって、何度も奇蹟を行なったでしょう。 証拠はそれで十分なはずです。 

26. それでも、あなたがたはわたしを信じないのです。 あなたがたはわたしの羊の群れに属さないのですから、しかたがありません。 

27. わたしの羊はわたしの声を聞き分けます。 わたしは彼らを知っているし、彼らもわたしにはついて来ます。 

28. わたしは彼らに永遠のいのちを与えるのです。 だから、絶対に滅びたりはしません。 だれも、わたしの手から彼らを奪い取ることはできません。 

29. 父がわたしに下さった群れなのですから。 父はだれよりも力があります。 わたしの羊をさらうことなんか、だれにもできません。 

30. わたしと父とは一つです。」

31.  これを聞いて、ユダヤ人の指導者たちは、にわかに石をつかみました。 イエスを打ち殺そうというのです。

32.  「わたしは、神の指図どおり、たくさんの奇蹟を行なって、人々を助けただけです。 そのどこがいけなくて殺されなければならないのでしょうか?」

33.  「なにも良い行ないを責めてるわけじゃない。 神様を汚したからだ。 ただの人間のくせに、神だなどとぬかしおって!」

34.  「あなたがたの律法には、『わたしは言った。 「あなたがたは神神だ」』と書いてあるではありませんか。 

35. 無効になることのありえない聖書が、神のことばを受けた人々を神々と呼んでいるのです。 

36. とすれば、父がきよめ分かち、この世にお遣わしになった者が、『わたしは神の子だ』と言うのが、どうして神を汚すことになるのですか。 

37. わたしが神の奇蹟を行なっていないのなら、わたしを信じなくてかまいません。 

38. しかし、もし神の奇蹟を行なっているのなら、わたしを信じないにしても、奇蹟そのものは信用しなさい。 父がわたしのうちにおられ、わたしが父のうちにいることが、はっきりわかるでしょう。」

39.  彼らが、またも逮捕しかねない勢いなので、イエスはうまくその場を切り抜けられ、エルサレムをあとになさいました。 

40. そして、ヨルダン川を渡り、ヨハネが最初にバプテスマ(洗礼)を授けていたあたりにおられましたが、 

41. ここでも、大ぜいの人が、あとからあとから詰めかけます。彼らは口々に言いました。 「ヨハネは一つも奇蹟を行なわなかったけど、この方について話したことは、何もかもそのとおりになったな。」 

42. こうして、大ぜいの人が、イエスこそメシヤ(救い主)だと信じるようになったのです。ラザロの死