チャプター

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  11. 11
  12. 12
  13. 13
  14. 14
  15. 15
  16. 16
  17. 17
  18. 18
  19. 19
  20. 20
  21. 21

旧約聖書

新約聖書

ヨハネによる福音書 3 リビングバイブル (JLB)

1-2. とっぷり日も暮れたある夜のこと、パリサイ人で、ニコデモという名のユダヤ人の指導者が、イエスに会いに来ました。 「先生。 だれもみな、あなた様が神様から遣わされた教師であることを存じ上げております。 あなた様のなさる奇蹟を見ればもう、わかりきったことでございます。」

3.  「そうですか。 でもよく言っておきますが、あなたはもう一度生まれ直さなければ、絶対に神の国へは入れません。」

4.  ニコデモは、思わず大声で叫びました。 「ええっ、もう一度生まれるのですか! いったい、どういうことですか。 年をとった人間が母親の胎内に戻って、もう一度生まれるんですか。 そんなこと、できっこありませんよ。」

5.  「よく言っておきますが、だれでも水と御霊によって生まれなければ、神の国へは入れません。 

6. 人間からは人間のいのちが生まれるだけです。 けれども聖霊は、天からの、全く新しいいのちを下さるのです。 

7. もう一度生まれなければならない、と言われたからといって、驚くことはありません。 

8. 風は、音が聞こえるだけで、どこから吹いて来るかも、どこへ行くのかもわかりません。 御霊だって同じことです。 次はだれに、この天からのいのちが与えられるか、まるでわからないのです。」

9.  「それはいったい、どういうことで?」

10.  「あなたはみんなに尊敬されているユダヤ人の教師ではありませんか。 このようなこともわからないのですか……。 

11. わたしは知っていること、見たことだけを話しているのです。 それなのに、あなたがたは信じてくれません。 

12. 人間の世界で現に起こっていることなのですよ。 それも信じられないくらいなら、天で起こることなど、話したところで、とても信じられないでしょう。 

13. メシヤ(救い主)のわたしだけが、この地上に下って来て、また天に帰るのです。 

14. モーセが荒野で、青銅で作った蛇を、さおの先に掲げたように、わたしも木の上に上げられなければなりません。 

15. わたしを信じる人はだれでも、永遠のいのちを持つためです。」

16.  実に神は、ひとり子をさえ惜しまず与えるほどに、世を愛してくださいました。 それは、神の御子を信じる者が、だれ一人滅びず、永遠のいのちを得るためです。 

17. 神がご自分の御子を世にお遣わしになったのは、世に有罪判決を下すためではありません。 救うためです。

18.  この神の子に救っていただけると信じ、何もかもお任せする者は、永遠の滅びを免れます。 しかし、お任せしない者は、神のひとり子を信じなかったのですから、すでにさばかれ、有罪判決を下されたのです。 

19. そのような判決が下ったわけは、こうです。 天からの光が世に来ているのに、彼らは、自分の行ないが悪かったため、光よりも暗やみを愛したのです。 

20. 暗やみの中で罪を犯したいので、彼らは天からの光をきらいました。 罪が暴露され罰せられるのを恐れて、光のほうに出て来ようともしません。 

21. しかし、正しいことを行なっている人は、喜んで光のほうに出て来ます。 神の望まれることを行なっていると、だれの目にもはっきりわかるためです。

22.  その後、イエスと弟子たちは、エルサレムを去り、しばらくユダヤに滞在し、バプテスマ(洗礼)を授けていました。ヨハネとイエスの役割

23-24. そのころはまだ、バプテスマのヨハネは投獄されておらず、サリムに近いアイノンで、バプテスマを授けていました。 そこには、水がたくさんあったからです。 

25. ある日、一人のユダヤ人が、「イエス様のバプテスマのほうがすぐれている」と、ヨハネの弟子たちに議論を吹っかけました。 

26. 弟子たちは、ヨハネのところに来てこぼしました。 「先生。 ヨルダン川の向こう岸でお会いしたあの方、あなた様がメシヤ(救い主)だとおっしゃったあの方も、バプテスマを授けておられるそうで……。 みんな、こちらには来ないで、どんどんあの方のほうへ行ってしまいます。」

27.  ヨハネは答えました。 「天の神様が、一人一人にそれぞれの役割を決めてくださる。 

28. 私の役目は、だれもがあの方のところへ行けるように道を備えることだ。 私はキリストではないと、はっきり言ったはずだよ。 あの方のために道を備えるために、私はここにいるのだ。 

29. 一番魅力のあるものに人々が集まるのは当然だろうが。 花嫁は花婿のもとへ行く。 花婿の友達は花婿といっしょに喜ぶ。 私は花婿の友達だから、花婿の喜ぶ声を聞くと、うれしくてたまらないのだ。 

30. あの方はますます偉大になり、私はますます力を失う。

31.  あの方は天から来られた方。 ほかのだれよりも偉大なお方だ。 私は地から出た者。 地上のことしかわからない。 

32. あの方は、見たこと聞いたことをお話しになる。 だが、そのおことばを信じる人はなんと少ないことか……。 

33. あの方を信じれば、神様が真理の源だとわかるのに。 

34. 神様から遣わされたあの方は、神様のことばをお話しになる。 あの方の上には、神の御霊が無限に注がれているからだ。 

35. 父なる神様はこの方を愛し、万物をこの方にお与えになった。

36.  この方は神様の御子なのだ。 この方に救っていただけると信じ、何もかも任せきる者はだれでも、永遠のいのちを得る。 だが、この方を信じない者、従わない者は、絶対に天国を見ることはできない。 そればかりか、神様の怒りがその人の上にとどまるのだ。」サマリヤ人の女