1. さて、イスラエルの中でもルベン部族とガド部族は、羊をたくさん持っていました。 その羊を飼うには、今いるヤゼルやギルアデの地域が最適です。
2. そこで、モーセと祭司エルアザル、部族長たちに願い出ました。
3-4. 「神様は私たちに味方して、このあたりのアタロテ、ディボン、ヤゼル、ニムラ、ヘシュボン、エルアレ、セバム、ネボ、ベオンの住民をみな滅ぼされました。 ここはもともと、羊を飼うには理想的な所です。
5. ヨルダン川の向こう側の土地はいりませんから、ここを私たちにください。」
6. モーセは答えました。 「ほかの者が向こう側へ渡って、これからも戦いを続けるのに、ここに残りたいと言うのか。
7. 神様が下さる国へ進んで行こうとする、他の部族の意気をくじくつもりか。
8. それじゃあ、先祖たちとちっとも変わらないぞ。 四十年前、カデシュ・バルネアからスパイを送り込んでカナンの地を探らせた時、
9. エシュコルの谷から戻って来た連中は、何と言ったか。 あきれたことに、約束の国へは上って行かないほうがいいと言いはって、みんなの意気をくじいたのだ。
10-11. もちろん、神様はもうれつに腹を立て、『エジプトから助け出された者のうち、二十歳以上の者にはだれ一人、アブラハム、イサク、ヤコブに与えると誓った国は見せない』と断言なさった。 神様のお考えに従おうとしなかったからだ。
12. しかし、ケナズ一族のエフネの息子カレブとヌンの息子ヨシュアは違う。 神様の言われるとおり、あくまでも約束の国へ行こうと、熱心に勧めたのだ。
13. 神様に背いた者がみな死んでしまうまで、四十年もの間、私たちは荒野をさまよい歩いた。
14. ああ、それなのに、やっぱり血は争えない。 また同じことをくり返すとは、なんてことだ。 しかも、今は前の時より人数も多い。 神様はもっともっと激しくお怒りになるだろう。
15. またしても神様に背いたら、これからもずっと、荒野をさまよわなければならない。 おまえたちのせいで皆が苦しみ、死ぬはめになったら、どうするつもりだ。」
16. 「とんでもない。 私たちはただ、羊を飼えるように柵を作り、子供たちのために町を建ててやりたいだけです。
17. ここに残るつもりは全くありません。 ちゃんと武装し、皆の先頭に立ってカナンに攻め入ります。 ただその前に、残る家族が安全に住めるように、城壁で囲まれた町を建てさせてもらいたいのです。
18. 他の部族がそれぞれ相続地を手に入れるまでは、決して戻って来ません。
19. ヨルダン川のこちら側の土地さえいただければ、それでけっこうです。」
20. 「よくわかった。 いま言ったとおり、ちゃんと武装し、
21. 神様が敵を追い払うまで、ヨルダン川の向こう側で戦いに加わるなら、
22. 征服し終えしだい戻ってよい。 それで神様と他の部族に対する責任は果たしたのだ。 神様はヨルダン川のこちら側の土地を下さるだろう。
23. しかし、約束を破ったら、神様に罪を犯すのだから、必ず罰せられるぞ。
24. さあ、言ったとおり町を建て、羊を飼う柵を作りなさい。」
25. 「何もかもご命令どおりにいたします。
26. 子供、妻、羊、牛は、このギルアデの町に残りますが、
27. 兵役についている者は全員、おっしゃるとおり神様のために戦います。」
28. モーセはこれを承知し、エルアザル、ヨシュア、部族長たちに言いました。
29. 「ガド部族とルベン部族のうち兵役についている者が、いっしょにヨルダン川を渡り、神様のために戦う。 だから征服し終えたら、このギルアデの土地を与えてやりなさい。
30. しかし、いっしょに行こうとしなかったら、あなたがたと同じように、カナンの国の一部をやればいい。 それで我慢させるのだ。」
31. これに答えるように、ガド部族とルベン部族の者は、口をそろえて誓いました。 「神様の命令どおりにいたします。
32. 完全武装して神様に従い、カナンの国へまいります。 ただ土地だけは、ヨルダン川のこちら側の土地をいただきたいのです。」
33. そこでモーセは、エモリ人の王シホンとバシャンの王オグの領土をみな、ガド部族とルベン部族、それにヨセフの息子マナセの半部族に割り当てました。
34-36. さて、ガド部族が建てたのは次の町です。ディボン、アタロテ、アロエル、アテロテ・ショファンヤゼル、ヨグボハ、ベテ・ニムラ、ベテ・ハラン以上はみな、城壁を巡らし、羊を飼う柵のある町です。
37-38. ルベン部族が建てた町は次のとおりです。ヘシュボン、エルアレ、キルヤタイム、ネボバアル・メオン、シブマこの中の幾つかは、再建した時に名前を変えました。
39. 一方、マナセ部族のうちのマキル氏族が、ギルアデを征服し、エモリ人を追い出したので、
40. モーセはそこを彼らに与えました。
41. また、やはりマナセ部族であるヤイル氏族は、ギルアデの村を幾つも占領し、ハボテ・ヤイルと名前を変えました。
42. さらに、ノバフという男がケナテと周辺の村を攻め落とし、自分の名にちなんで、その地域をノバフと名づけました。