チャプター

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  2. 2
  3. 3
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  10. 10
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  16. 16
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  18. 18
  19. 19
  20. 20
  21. 21
  22. 22

旧約聖書

新約聖書

列王紀上 1 リビングバイブル (JLB)

1.  晩年のダビデ王は寝たきりになりました。 毛布を何枚かけても、体が暖まらないのです。

2.  そこで、側近の者が提案しました。 「若い娘を、お世話役のそばめとしてはいかがでしょう。 添い寝をさせて、お体を暖めさせるのです。」

3-4. さっそく、国中くまなく捜して、いちばん美しい娘を見つけ出すことになりました。 ついにシュネム出身のアビシャグが選ばれ、王のもとへ連れて来られました。 王を暖めるため、その腕に抱かれて寝ることになったのです。 しかし、肉体関係はありませんでした。

5.  そのころ、ハギテの子であるアドニヤは、自分こそ老いた父に代わって王位につくべきだと考えて、戦車を買い集め、騎兵を雇い、彼の前を走る五十人の近衛兵をそろえました。 

6. ところで、父のダビデ王は、これまで一度も、彼をたしなめたことがありませんでした。 彼はアブシャロムのすぐ下の弟で、とてもハンサムでした。 

7. ヨアブ将軍と祭司エブヤタルに思惑を打ち明けると、二人とも賛成です。 

8. しかし、祭司ツァドク、ベナヤ、預言者ナタン、シムイ、レイ、ダビデ軍の勇士たちは、あくまでも王に忠誠を尽くし、アドニヤに味方するようなことはしませんでした。

9.  アドニヤはエン・ロゲルへ行き、蛇の石のそばで、羊、牛、太った子やぎをいけにえとしてささげました。 それから、即位式の立会人として、兄弟とユダの政府高官を全員招きました。 

10. ただし、預言者ナタン、ベナヤ、王の勇士たち、それに、兄弟のうち、弟ソロモンだけは招きませんでした。

11.  預言者ナタンは、ソロモンの母バテ・シェバに会い、こう勧めました。 「ハギテの子アドニヤが王になり、しかも、陛下が少しもお気づきでないことを、ご存じですか。 

12. ご自身と、ご子息ソロモン様の無事を願われるなら、これから申し上げるとおりになさってください。 

13. すぐ陛下のところへ行って、『陛下は私に、ソロモンが次の王になる、とお約束になったではありませんか。 それなのに、なぜ、アドニヤが王になっているのでしょう』と申し上げるのです。

14. お話の最中に、私もまいり、訴えが事実であることを、王に確認しましょう。」

15.  バテ・シェバは、言われたとおり王の寝室へ行きました。 王は非常に年老い、アビシャグが身の回りの世話をしていました。 

16. バテ・シェバがていねいにおじぎをすると、王は、「何の用か」と尋ねました。

17.  「陛下に申し上げます。 陛下は、神様に誓って、わが子ソロモンが次の王になる、とおっしゃいました。 

18. それなのに、アドニヤが新しい王になっています。 しかも、陛下はそれをご存じありません。 

19. アドニヤは即位を祝って、牛や太った山羊やたくさんの羊をいけにえとしてささげ、陛下のお子様方ぜんぶと祭司エブヤタル、それにヨアブ将軍を招きました。 ただし、ソロモンだけは招かれませんでした。 

20. 今、イスラエル中の人が、アドニヤが後継者として選ばれるかどうか、陛下の決定を待っております。 

21. 陛下がはっきり決着をつけてくださらないと、ソロモンも私も、陛下がお亡くなりになったとたん、謀反人として捕らえられ、処刑されるに決まっております。」

22-23. 彼女が話しているうちに、側近の者が来て、「預言者ナタン様がお目どおりを願い出ています」と伝えました。ナタンは王の前に出ると、うやうやしく一礼し、 

24. 話を切り出しました。 「陛下、陛下はアドニヤ様を、後継者にお選びになったのでしょうか。 

25. 実はきょう、あの方は即位を祝って、牛や太った山羊やたくさんの羊をいけにえとしてささげ、陛下のお子様方を祝賀会に招いたのです。 ヨアブ将軍と祭司エブヤタルも招かれました。 一同はあの方の前で飲み食いし、『アドニヤ王、ばんざい!』と叫んだということです。 

26. しかし、祭司ツァドク、ベナヤ、ソロモン王子、それに私だけは招かれませんでした。 

27. これは、陛下がご承知の上でなされたことでしょうか。 陛下はまだ、お子様のうちどなたを次の王にするか、仰せではございませんが。」

28.  王は、「バテ・シェバをここへ」と命じました。 中座していた彼女は戻って来て、王の前に立ちました。

29.  王は誓いました。 「わしをあらゆる危険から助け出してくださった神様は生きておられる。 

30. いつかイスラエルの神様の前でおまえに誓ったとおり、きょう、おまえの子ソロモンを王とし、わしの王座につかせる。」

31.  バテ・シェバは、もう一度うやうやしくおじぎをすると、感きわまって叫びました。 「ありがとうございます、陛下。 どうか、末長くおすこやかに!」

32.  「祭司ツァドクと預言者ナタン、それにベナヤをここへ。」 王は続けて命じました。三人が前に出ると、 

33. 王はこう指示しました。 「ソロモンとわしの家来とをギホンへ連れて行け。 ソロモンはわしの雌らばに乗せてな。 

34. 祭司ツァドクと預言者ナタンは、そこでソロモンに油を注ぎ、イスラエルの王とするのだ。 それからラッパを吹き鳴らし、『ソロモン王、ばんざい!』と叫べ。 

35. ソロモンが戻りしだい、新しい王として王座につけよう。 わしはソロモンを、イスラエルとユダの王に任命する。」

36.  ベナヤは答えました。 「アーメン! 神様をほめたたえます。 

37. 神様が陛下とともにおられたように、ソロモン様ともおられますように。 ソロモン王を、陛下以上に偉大な王としてくださいますように!」

38.  こうして、祭司ツァドク、預言者ナタン、ベナヤ、王の家来たちは、ソロモンを王の雌らばに乗せ、ギホンへ行きました。 

39. ギホンに着くと、ツァドクは天幕から神聖な油を取り出し、ソロモンの頭に注ぎかけました。 ラッパが吹き鳴らされ、人々はみな、「ソロモン王、ばんざーい!」と叫びました。

40.  それから、一同はソロモンの供をしてエルサレムへ帰りましたが、道中は喜び祝う歌声で、それはそれはにぎやかでした。 

41. アドニヤと招待客は、ちょうど食事を終えたところでした。 何やら外が騒々しいようです。ヨアブはいぶかしげに尋ねました。 「いったい何事だ。 何の騒ぎだ。」

42.  そのことばが終わらないうちに、祭司エブヤタルの子ヨナタンが駆け込んで来たので、アドニヤが言いました。「入れ。 おまえは勇敢な者だから、良い知らせを持って来たに違いない。」

43.  「ダビデ王は、ソロモン様が王だと発表しました! 

44-45. しかも、ソロモン様をご自分の雌らばに乗せ、ギホンへ行かせたのです。 祭司ツァドク、預言者ナタン、それにベナヤが同行し、王の護衛隊が警護にあたりました。 ツァドクとナタンは、ソロモン様の頭に油を注いで、新しい王にしました。 一行が戻ったので、町中が喜びにわきかえっています。 あの騒がしい物音をお聞きください。 

46-47. ソロモン様はすでに王座におつきです。 国民はこぞってダビデ王に、『どうか神様が、親しく陛下を祝福してくださった以上に、ソロモン様を祝福してくださいますように。 ソロモン王を、陛下以上に栄えさせてくださいますように!』とお祝いを申し上げています。 王は床についたまま、人々の祝福のことばを受けておいでです。 

48. しかも、『わしが生きているうちに、息子の一人を選んで、王座につけてくださったイスラエルの神様を、心からほめたたえます』と言っておられるとか。」

49-50. これを聞いて、アドニヤと招待客はびっくり仰天です。 この先どうなるか、わかったものではありません。 恐ろしくなって逃げ出しました。 アドニヤは神の天幕に駆け込み、祭壇の角にしがみつきました。 

51. アドニヤが聖所に入って、いのち乞いをしていることが報告されると、 

52. ソロモンは言いました。 「礼儀正しく振る舞うなら、危害は加えまい。 しかし、そうでなければ、いのちはない。」 

53. ソロモン王はアドニヤを呼びにやり、祭壇から下ろさせました。彼が来てうやうやしくおじぎをすると、あっさり赦し、「家へ帰るがよい」と言っただけでした。