チャプター

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  2. 2
  3. 3
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  7. 7
  8. 8
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  10. 10
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  18. 18
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  21. 21
  22. 22
  23. 23
  24. 24

旧約聖書

新約聖書

ルカによる福音書 2 リビングバイブル (JLB)

1.  そのころ、皇帝アウグストが全ローマ帝国の住民登録をせよと命じました。 

2. これは、クレニオがシリヤの総督だった時に行なわれた、最初の住民登録でした。

3.  登録のため、国中の人がそれぞれ先祖の故郷へ帰りました。 

4. ヨセフは王家の血筋だったので、ガリラヤ地方のナザレから、ダビデ王の出身地ユダヤのベツレヘムまで行かなければなりません。 

5. 婚約者のマリヤも連れて行きましたが、この時にはもう、マリヤのお腹は目立つほどになっていました。

6.  ベツレヘムにいる間に、 

7. マリヤは初めての子を産みました。男の子でした。 彼女はその子を布でくるみ、飼葉おけに寝かせました。 宿屋が満員で、泊めてもらえなかったからです。

8.  その夜、町はずれの野原では、羊飼いが数人、羊の番をしていました。 

9. そこへ突然、御使いが現われ、主の栄光がさっとあたり一面を照らしたのです。 これを見た羊飼いたちは恐ろしさのあまり震え上がりました。

10.  御使いが言いました。 「こわがることはありません。 これまで聞いたこともない、すばらしい出来事を知らせてあげましょう。 すべての人への、うれしい知らせです。 

11. 今夜ダビデの町(ベツレヘム)で救い主がお生まれになりました。 この方こそ主キリストです。 

12. 布にくるまれ、飼葉おけに寝かされている赤ん坊、それが、目じるしです。」

13.  するとたちまち、天の軍勢が現われ、御使いといっしょに神をほめたたえました。

14.  「天では、神様に栄光があるように。地上では、平和が、神様に喜ばれる人々にあるように。」

15.  御使いの大軍が天に帰ると、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムへ行こうぜ。 主が知らせてくださった、すばらしい出来事を見てこようじゃないか!」と言い合いました。 

16. 羊飼いたちは息せき切って町まで駆けて行き、ようやくヨセフとマリヤとを捜しあてました。 飼葉おけには、赤ん坊が寝ています。 

17. 何もかも御使いの言ったとおりです。 羊飼いたちはこのことを大ぜいの人に話して聞かせました。 

18. それを聞いた人々はみな、ひどく驚きましたが、 

19. マリヤはこれらのことを胸に納め、時々、思い返していました。

20.  羊飼いたちは、お告げどおり赤ん坊にお会いできたので、神を賛美しながら、帰って行きました。

21.  八日たち、割礼(男子の生殖器の包皮を切り取る儀式)を行なう日になりました。 その子は、母の胎内に宿る前から御使いに示されたとおり、「イエス」と名づけられました。

22.  モーセの法律によるきよめ(母親のきよめと幼子の献児)の時が来ると、両親はイエスを主にささげるため、エルサレムに連れて来ました。 

23. モーセの法律には、「女から最初に生まれる子が男であれば、その子を主にささげなければならない」とあったのです。

24.  両親は、決まりどおり、「山鳩一つがい、または家鳩のひな二羽」をきよめの供え物としてささげました。 

25. その日、神殿には、エルサレムに住むシメオンという人がいました。 正しい、信仰のあつい人で、聖霊に満たされ、メシヤ(救い主)のおいでをひたすら待ち望んでいました。 

26. 主が遣わされるその方を見るまでは絶対に死なない、という聖霊のお告げを受けていたのです。 

27. その日は、聖霊に導かれて神殿に来ました。 そして、マリヤとヨセフが、決まりどおり、イエスを主にささげるためにやって来るのに出会ったのです。 

28. シメオンはイエスを抱き上げ、神を賛美しました。

29.  「主よ。 今こそ私は安心して死ねます。

30.  お約束どおり、この目でメシヤを見、

31.  あなたが遣わされた救い主にお会いしたのですから。

32.  この方はすべての国を照らす光、あなたの民イスラエルの光栄です。」

33.  ヨセフとマリヤはそこに立ったまま、驚いてシメオンの言うことを聞いていました。

34-35. シメオンは両親を祝福してから、マリヤに言いました。 「剣があなたの胸を刺し通すでしょう。 イスラエルの多くの人がこの子を信じようとしないで、滅びるからです。 しかし、この子によって大きな喜びを受ける人も大ぜいいます。 こうして、多くの人の隠れた思いが現わされるのです。」

36-37. その日、女預言者アンナも神殿にいました。 彼女はアセル族のパヌエルの娘で、たいへんな年寄りでした。 七年の結婚生活の後、未亡人で通し、もう八十四歳にもなっていたのです。 彼女は神殿を一歩も離れず、祈りと断食に明け暮れ、神に仕える毎日を送っていました。

38.  そこにいたアンナも神に感謝をささげ、救い主のおいでを待ちわびていたエルサレムのすべての人に、メシヤがおいでになったと語り聞かせました。少年イエス

39.  モーセの法律どおりにすべてのことをすませると、ヨセフとマリヤはガリラヤのナザレに帰りました。 

40. イエスは成長してたくましくなり、年に似合わず賢い子だ、と評判になるほどでした。 神も絶えずイエスを祝福してくださいました。

41.  さて、両親は過越の祭りには、毎年かかさずエルサレムに行きました。 

42. 十二歳の時、イエスは祭りの習慣どおり、両親についてエルサレムに行きました。 

43. 祭りが終わると、両親は帰途に着きましたが、イエスはそのまま、エルサレムに残りました。 そうとは知らない両親は、 

44. てっきりほかの人たちといっしょだろうと考え、たいして気にもとめず、その日一日、旅を続けました。 ところが、夕方になってもイエスの姿は見あたりません。 あわてて、親族や友人たちの間を捜し始めました。 

45. それでも、やっぱり見つかりません。 とうとう捜しながらエルサレムまで引き返しました。

46.  三日後、ようやく、イエスの居場所がわかりました。 なんと、神殿で法律の教師たちを相手に、むずかしい議論をしていたのです。 

47. 取り巻く見物人はみな、イエスの知恵と答えとに舌を巻いていました。

48.  両親は、わが子が落ち着きはらって座っているのを見て、面食らってしまいました。 「どうして、こんなことをしてくれたんですっ! お父さんもお母さんも、どんなに心配して捜し回ったか知れないんですよっ」と、マリヤが言いました。

49.  ところがイエスは、「なぜ捜したの。 ぼくがお父さんの家〔神殿〕にいるって、わからなかったのかなあ」とお答えになりました。 

50. こう言われても、どういうことか、両親にはさっぱりわかりませんでした。

51.  それからイエスは、両親といっしょにナザレにお帰りになり、彼らによくお仕えになりました。 マリヤは、このことをみな、心にとめておきました。 

52. イエスは身長も伸び、知恵も加わって、神にも人にも愛されました。ヨハネ、活動を始める