1. エホヤキン王が捕囚となって十二年目の二月中旬に、このような神様のお告げがありました。
2. 「ちりの子よ、エジプト王のために嘆け。 そして、王に言え。 おまえは自分を、国々の中で強くて若いライオンのようだと思っている。 だがおまえは、ナイル川の岸で水をかき混ぜて濁らせている、わにのような存在でしかない。
3. 神様はこうお語りになります。 わたしは大軍を差し向け、わたしの網におまえをひっかける。 それから引き上げ、
4. 死ぬまで地面に放り出しておく。 空のあらゆる鳥がその上に群がり、全地の野獣がむさぼり食って、飽きるようになろう。
5. わたしは山々をおまえの肉でおおい、谷をその骨でうずめる。
6. 谷川から山の頂上に至るまで、地をおまえのほとばしる血で染めよう。
7. わたしはおまえを抹殺し、空をおおい、星を暗くする。 太陽は雲に隠れ、月も光を放たない。
8. ほんとうに、暗黒が国中を支配し、明るく輝いている星でさえ、おまえの上では暗くなる。
9. わたしがおまえを滅ぼす時、おまえが見たこともない遠い国々の人が、大ぜい嘆き悲しむ。
10. 確かに、わたしがおまえにすることを見て、多くの国々が恐怖に襲われ、王たちは震え上がる。 わたしが彼らの前で剣を振り回すと、恐ろしさにわなわな震える。 おまえが倒される日、彼らは死の恐怖に取りつかれる。
11. 神様がこうお語りになるからです。 バビロン王の剣がおまえの上に振り下ろされる。
12. わたしは、国々に恐れられているバビロンの大軍を差し向けて、おまえを滅ぼす。 エジプトの誇りも国民もみな、粉々にしてしまう。 何もかも滅ぼされてしまうのだ。
13. 流れのほとりに放牧されている家畜の群れも滅ぼす。 その水を濁らせる人も動物もいなくなる。
14. それで、エジプトの川はオリーブ油のように澄んで、穏やかに流れる。 神様がこうお語りになるのです。
15. わたしがエジプトを破滅させ、その財産をぜんぶ巻き上げる時、エジプトは、神であるわたしがそうしたことを知る。
16. さあ、エジプトのために泣き叫べ。 すべての国々よ、エジプトとその国民のために悲しめ。 神様がこうお語りになるのです。」
17. 二週間後、神様から次のようなお告げがありました。
18. 「ちりの子よ、エジプト国民のために、また他の強大な国々のために泣け。 彼らを死者の住みかに送り込め。
19. ああ、エジプトよ。 おまえのように美しい国があろうか。 だが、その終わりは地獄であり、おまえが見下していた者たちといっしょに横たわるのだ。
20. 人人は無残にも剣で殺される。 エジプトの地を切るために、剣が抜き放たれたからだ。 エジプトはさばきの座に引きずり下ろされる。
21. 下界の勇士たちは、エジプトの到着をその友だちといっしょに待ちかねている。 エジプトは、自分が見下していた国々、また剣の犠牲となったすべての人々といっしょに、そこに横たわるのだ。
22. アッシリヤの君主たちは、剣で殺されたアッシリヤの全民衆の墓に囲まれている。
23. それらの墓は地獄の奥深くにあり、回りには同盟国の墓がある。 かつて人々に恐れられた勇士たちも、みんな敵の手にかかって死んでしまった。
24. エラムの大王たちも、その国民とともにそこに横たわっている。 生前、彼らは国々をさんざん荒らし回った。 しかし今では、落ちぶれて地獄に横たわっている。 その終わりは、普通の人間と少しも変わらない。
25. 殺された全民衆の墓の間に眠るだけだ。 生きていた時は、国々に恐れられていたのに、今は剣に倒れ、その恥を地獄にさらしている。
26. メシェクとトバルの君主たちも、兵士たちの墓に囲まれてそこにいる。 みな偶像礼拝者で、かつては人々を恐れさせた者だったのに、今は死んで横たわっている。
27. 昔の君主たちは、その武具をわきに、剣を枕とし、盾で体をおおわれるように大きな栄誉を受けて埋葬された。 だが、共同墓地に埋められただけだ。 生前は、人々に恐れられていたというのに……。
28. 今は打ち砕かれて、偶像礼拝者や剣で殺された者とともに横たわっている。
29. そこには、エドムとその王たち、そのすべての族長たちがいる。 かつては勇者だった彼らも、剣で殺された者や地獄に落ちた偶像礼拝者とともに横たわっている。
30. そこには、殺された北の国々の君主たちやシドン人もいる。 かつて恐れられていた彼らも、今は恥をさらして横たわっている。 殺されて地獄の穴に落ちた者とともに、同じ屈辱を味わっている。
31. 神様はこうお語りになります。 エジプト王はそこに来ると、殺された配下の兵士たちもいるのを見て、胸をなでおろす。
32. わたしは生きている者すべてを、恐怖のどん底に突き落とす。 エジプト王とその軍勢は、剣で殺された偶像礼拝者とともに横たわる。」