1. 〔エホヤキン王が捕囚となって〕九年目の十二月下旬のこと、次のようなお告げが神様から示されました。
2. 「ちりの子よ、きょうの日付を書き留めよ。 きょう、バビロンの王がエルサレムに攻撃をしかけたからだ。
3. さあ、反逆者であるイスラエルに、このたとえを語れ。 神様がこう命じる。 なべに水を入れ、火にかけて沸騰させよ。
4. そこに最上の羊の肉、ももや肩などの柔らかい肉をいっぱい入れよ。
5. 群れの最良の羊だけを使え。 火にはどんどん薪をくべ、肉が骨から離れるまでよく煮るのだ。
6. 神様はこうお語りになります。 ああ、殺人の町、エルサレムはのろわれよ。 おまえは、さびと悪とで穴だらけになったなべのようだ。 だから、その中から手あたりしだい、肉を取り出せ。 どれが良いということはなく、みな同じだからだ。
7. エルサレムの悪さ加減は周知のことだ。 平気で人を殺し、その血が岩にたれて、人目にさらされても、隠そうともしない。
8. だから、わたしもそのままにして、その血がエルサレムの犯行を訴えるにまかせた。 わたしの怒りと憤りはいやがうえにも募った。
9. 殺人の町、エルサレムはのろわれよ! わたしはその下に薪を積み上げる。
10. さあ、薪をくべろ。 ぼんぼん火を燃やせ。 なべを煮えたぎらせよ。 肉をよく煮てから、なべを空っぽにし、骨を燃やすのだ。
11. 空のなべを炭火にかけ、そのさびや汚れを焼き落とせ。
12. だが、すべては骨折り損だ。 火をどんなに強くしても、さびや汚れは落ちずに残るからだ。
13. そのさびと汚れとは、偶像を礼拝してやまない、おまえのみだらな行為のことだ。 わたしはおまえをきよめようとしたが、おまえが拒んだので、憤りを燃え上がらせ、おまえを恐ろしい目に会わす。 それまで汚れたままでいるがいい。
14. 神であるわたしが、これを語ったのだ。 このことは必ず起こる。 わたしがそうするからだ。」
15. また、次のようなお告げが神様から示されました。
16. 「ちりの子よ。 わたしはおまえの愛する妻を取り去る。 彼女は急死する。 だが、悲しんではならない。 決して泣くな。 涙を流すな。
17. ため息くらいならいいが、声をたててはならない。 その墓でも、声をあげて泣くな。 頭にターバンを巻き、足には靴をはけ。 慰めにと、友人が持って来る食べ物を受けるな。」
18. その朝、私はこのことを人々に語りました。 ところがその晩、妻が死んだのです。 翌朝、私は神様がお語りになったとおりにしました。
19. すると人々は、「なぜ、そんなふうにするのですか。 わけを教えてください」と尋ねてきました。
20-21. そこで私は、こう答えました。 「神様が私に、イスラエル国民にこう言え、とお語りになったのです。 わたしは、おまえたちが国の力とも頼み、わたしが愛してやまない、美しい神殿を滅破壊しよう。そして、ユダヤにいる、おまえたちの息子や娘を剣で殺そう。
22. 私がしたと同じことを、あなたがたもするようになるのです。 人前で嘆き悲しむことも、同情して友人が持って来てくれた食べ物を食べることも、できなくなるのです。
23. 喪中だというのに、頭にはターバンを巻き、足には靴をはき、嘆くことも泣くこともしません。 自分たちの罪を嘆き合い、自分が犯した多くの悪事を一人で悲しむばかりです。
24. 神様が言われるとおり、私は手本を示したのです。 エゼキエルがしたとおりに、おまえたちもするようになる。 その時がきたら、おまえたちは、わたしが神であることを知るようになる。
25. ちりの子よ。 わたしがエルサレムの住民から、その心の喜びであり誇りでもある妻や、息子や、娘を取り去る日に、
26. エルサレムから命からがら逃れた者が、バビロンにいるおまえに、その出来事を知らせるために旅立つ。
27. その者が到着したら、さっそく、話をするがいい。 おまえはこの人々のためのしるしとなるのだ。 その時、彼らはわたしが神であることを知る。」