9. あのとき私は、神様があなたがたと結ばれる契約の板を受け取りに、山へ登っていました。 私は飲まず食わずで四十日間も待ちました。
10-11. そして、やっといただいたのです。 そこには、人々が見守る中で、神様が真っ赤に燃え立つ山の炎の中からお命じになった戒めが記してありました。
12. その板を下さるとすぐ、神様は急いで山を降りるようにとせかせました。 エジプトから助け出した国民が早くも堕落し、神様の戒めを破って鋳物の偶像を作ったからです。
13-14. あまりのことに神様の怒りが爆発しました。 『なんということだ。 こんなに強情でひねくれた国民は生かしておけない。 止めてもむだだ。 一人残らず滅ぼそう。 その代わり、おまえの子孫を強い国民に育ててやろう。 彼らより、もっともっと強く偉大な国民にな。』
15. 私は石板をしっかりかかえ、燃える山を一目散に駆け降りました。
16. その私の目に真っ先に映ったのは、いまわしい子牛の像でした。よりにもよって、これほどひどい罪を犯し、こんなにも早く神様を捨てるとは何てことだ!
17. 私は腹立ちまぎれに、石板を振りかざし、力まかせに地面にたたきつけました。 石板はあなたがたの目の前で、木端微塵に砕け散りました。
18. しかたがありません。 私はもう一度、飲まず食わずで四十日間、神様の前にひれ伏しました。 あなたがたが神様のいちばん嫌いなことをし、お怒りを買ってしまったからです。
19. そのあいだ中、あなたがたのことで頭がいっぱいでした。 なにしろ、神様はすぐにでもあなたがたを滅ぼしかねないけんまくだったのです。 しかしあの時もまた、神様は私の祈りを聞いてくださいました。