チャプター

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旧約聖書

新約聖書

申命記 9 リビングバイブル (JLB)

1-2. さあ、よく聞きなさい。 きょう、あなたがたはヨルダン川を渡り、川向こうの国々を征服します。 どの国も大国で、あなたがたより強いのです。 町々は高い城壁で守りを固めています。 おまけに、無敵の巨人と恐れられるアナク人もいます。 

3. しかし神様がおられる以上、心配はありません。 いつもあなたがたの先頭に立ち、火のような勢いで敵を滅ぼしてくださるでしょう。 だから、すぐさま国国に攻め入り、占領しなさい。

4.  しかし思い違いをしないように。 神様があなたがたを助けるのは、あなたがたが正しいからではなく、ほかの国々が悪いからです。 

5. 決して、あなたがたが立派で正しいから、ほかの国々を滅ぼすのではありません。 ただ、ほかの国々が悪いからであり、ご先祖アブラハム、イサク、ヤコブに、そうすると約束されたからなのです。

6. くどいようですが、神様があのすばらしい国を下さるのは、あなたがたが正しいからではありません。 それどころか、あなたがたはひねくれ者の強情な国民です。

7.  大体あなたがたは、エジプトを出てから今まで、神様を怒らせ通しだったではありませんか。 いつも神様に逆らい続けてきたのを忘れたとは言わせません。

8.  ホレブ山(シナイ山)ではどうでしたか。 あまり神様を怒らせたので、すんでのところで殺されそうになりました。 

9. あのとき私は、神様があなたがたと結ばれる契約の板を受け取りに、山へ登っていました。 私は飲まず食わずで四十日間も待ちました。 

10-11. そして、やっといただいたのです。 そこには、人々が見守る中で、神様が真っ赤に燃え立つ山の炎の中からお命じになった戒めが記してありました。 

12. その板を下さるとすぐ、神様は急いで山を降りるようにとせかせました。 エジプトから助け出した国民が早くも堕落し、神様の戒めを破って鋳物の偶像を作ったからです。

13-14. あまりのことに神様の怒りが爆発しました。 『なんということだ。 こんなに強情でひねくれた国民は生かしておけない。 止めてもむだだ。 一人残らず滅ぼそう。 その代わり、おまえの子孫を強い国民に育ててやろう。 彼らより、もっともっと強く偉大な国民にな。』

15.  私は石板をしっかりかかえ、燃える山を一目散に駆け降りました。 

16. その私の目に真っ先に映ったのは、いまわしい子牛の像でした。よりにもよって、これほどひどい罪を犯し、こんなにも早く神様を捨てるとは何てことだ! 

17. 私は腹立ちまぎれに、石板を振りかざし、力まかせに地面にたたきつけました。 石板はあなたがたの目の前で、木端微塵に砕け散りました。 

18. しかたがありません。 私はもう一度、飲まず食わずで四十日間、神様の前にひれ伏しました。 あなたがたが神様のいちばん嫌いなことをし、お怒りを買ってしまったからです。 

19. そのあいだ中、あなたがたのことで頭がいっぱいでした。 なにしろ、神様はすぐにでもあなたがたを滅ぼしかねないけんまくだったのです。 しかしあの時もまた、神様は私の祈りを聞いてくださいました。 

20. いちばん危なかったのはアロンです。 彼のしたことに、神様はもうれつに腹を立てておられたので、一心にお赦しを願いました。 こうしてようやく、アロンのいのちは助かったのです。 

21. 最後に私は、あのいまわしい子牛の像をしまつしました。 まず火で焼き、粉々に打ち砕き、山を下る流れに投げ捨てました。

22.  数え上げればきりがありませんが、タブエラでも、マサでも、キブロテ・ハタアワでも、あなたがたは神様を怒らせました。 

23. カデシュ・バルネアでは、約束の国へ入れと命じられたにもかかわらず、こわがるばかりで少しも言うことを聞きませんでした。 神様が助けてくださると励ましてもだめでした。 恐ろしさのあまり、とうとう神様の命令に逆らったのです。 

24. 全く、あなたがたを知ってからというもの、神様に逆らわなかった時はないと言っていいくらいです。 

25. あまりのひどさに、神様はあなたがたを皆殺しにしようとされました。 そのとき私は、四十日のあいだ昼も夜も神様の前にひれ伏して祈りました。

26.  『どうか神様、特別に目をかけてくださった国民を滅ぼさないでください。 この国民は、驚くべき御力によってエジプトから救い出された、たいせつな財産ではありませんか。 

27. 今度のことは、どうかお見のがしください。 神様に忠実にお従いしたご先祖のアブラハム、イサク、ヤコブへの約束に免じて、彼らの強情でひねくれた心をお赦しください。 

28. それに、もし彼らを滅ぼしたりすれば、エジプト人たちは、それ見たことかと悪口を言うでしょう。 「へん、何てざまだ。 イスラエルの神はどうにも約束の国へ連れて行けなくなって、荒野でやつらを殺しちまったぞ。 それともやつらが嫌いだったから、初めからそのつもりで連れ出したのかもしれないな。」 

29. 神様、お忘れにならないでください。 彼らは神様のたいせつな財産、すばらしい御力によってエジプトから助け出された国民なのです。』