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士師記 16:11-21 リビングバイブル (JLB)

11.  「わかったよ。 まだ使ったことのない新しい綱で縛ってみろ。普通の人と同じぐらいの力しか出せないよ。」

12.  それでデリラは、サムソンが眠ったころを見はからって新しい綱を取り出し、縛り上げました。 前と同じように隣室に幾人かを潜ませ、またも大声で叫んだのです。「サムソン! ペリシテ人が捕まえに来たわ!」ところがサムソンは、まるでくもの巣でも払うように、綱を腕からはずしてしまったではありませんか。

13.  「また、あたしをばかにして、とんでもないでたらめをおっしゃったのね。 ねえ、お願い。 ほんとうのことを教えて。 どうしたらあんたを縛り上げることができるのよ。」「ああ、わかったよ。 おれの髪をおまえの機に織り込んでみるんだな……。」

14.  デリラはサムソンが眠ったのを確かめ、言われたとおり、彼の髪の毛を機に織り込み、悲鳴をあげてみせました。 「ペリシテ人よ!サムソン!」 サムソンは目を覚ますと、髪をぐいと引っぱり、機をこわしてしまいました。

15.  デリラは泣き出しそうな声で言いました。 「よくも、愛してるなんておっしゃれるわね。 ちっとも私を信用してくださらないくせに。 もう三度もだまされたわ。 それでもまだ、力の秘密を教えてはくださらないのね。」

16-17. 寝ても覚めてもせがみ続けるので、うるさくてたまりません。 サムソンはついに秘密を打ち明けました。「実はな、おれの頭にはかみそりが当てられたことがないんだよ。おれは、生まれる前から神様にささげられたナジル人だからな。 もし髪がそり落とされたら、おれの力もおしまいさ。 ほかの人と同じになるよ。」

18.  ついにほんとうのことを白状させたのです。 デリラはさっそく、ペリシテ人の五人の領主を呼びにやりました。「もう一度お越しください。 今度こそまちがいありませんわ。」彼らは約束の金を用意してやって来ました。 

19. 彼女はひざ枕でサムソンを眠らせると、床屋を呼び、髪をそり落とさせました。 念のためサムソンをこづいてみると、確かに彼の力はなくなっているようです。

20.  もう大丈夫と、悲鳴をあげました。 「ペリシテ人が捕まえに来たわ! サムソン!」 サムソンは目を覚まし、「なあに、いつもの調子で片づけよう。 一ゆすりすりゃ、思いのままさ」と考えました。神様が自分から去られたことに、気づいていなかったのです。 

21. ペリシテ人は彼を捕まえると、目をえぐり出し、ガザへ連れて行きました。 そこで青銅の足かせをはめて牢に入れ、臼を引かせたのです。

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