チャプター

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旧約聖書

新約聖書

ローマ人への手紙 11 リビングバイブル (JLB)

1. では神様はご自分の民であるユダヤ人を退け、見捨ててしまわれたのでしょうか。 とんでもない。 決してそんなことはありません。 この私もユダヤ人であり、アブラハムの子孫、ベニヤミン族の一人であることを、忘れないでください。

2-3. もちろん神様は、最初から選んだ自分の民を見捨てるようなことはなさいませんでした。 旧約聖書には何と書いてあるでしょうか。 預言者エリヤは、ユダヤ人を告発し、彼らが預言者を殺し、神様の祭壇をこわしたことを神様に申し上げています。 そして、「今なおあなた様を愛する者は、この国中で私一人です。 その私も、殺されそうなのです」と訴えました。

4. それに対して神様が何とお答えになったか、覚えていますか。「いや、あなただけではない。 わたしには、なおもわたしを愛し、偶像を拝んだことのない人が、ほかに七千人いる。」

5. 今でも同じことが言えます。 ユダヤ人の全部が神様から離れ去ったわけではありません。 神様の恵みによって選ばれ、救われている人々が、少数ながらいるのです。 

6. しかし、それは神様の恵みのおかげであり、彼らが善良だからではありません。 そうでなければ、ただであるはずの贈り物が、もはやただでなくなってしまいます。かせいで手に入れるのであれば、ただとは言えません。

7. さて、実情はこうです。 大部分のユダヤ人は、追い求めていた神様の恵みを、得ることができませんでした。 恵みを得たのは、神様に選ばれた少数の者だけでした。 ほかの人々は盲目にされてしまったのです。 

8. 旧約聖書に次のように記されているのは、このことなのです。「神様は彼らを眠らせ、目と耳とをふさがれた。それゆえ、キリスト様のことを語りかけても、彼らにはわからない。今日までその状態は続いている。」

9. ダビデ王も同じことを言っています。「食卓のごちそうや、さまざまの祝福は彼らのわなとなれ。 彼らを、『神様とは万事うまくいっている』という思いにさせよ。これらの良いものがはね返って来て、彼らの頭上に落ち、当然の報いとして彼らを押しつぶすがいい。

10. 彼らの目は見えなくなれ。重荷を負わされて、いつまでも背中を曲げたまま歩くがいい。」

11. これは、神様がご自分の民であるユダヤ人を退けてしまわれたことを意味するのでしょうか。 絶対にそんなことはありません。 神様の目的は、このことによって神様の救いが外国人にも及び、その結果、ユダヤ人がねたんで、自分でも救いを求めるようになることにあったのです。 

12. ところで、考えてもごらんなさい。 ユダヤ人が神様の救いにつまずき、それを拒んだ時、全世界が豊かに恵まれたのです。 とすれば、後にユダヤ人もキリスト様に立ち返る時には、どんなに大きく、すばらしい祝福が、この世に与えられることでしょう。

13. ご存じのように、神様は私を、あなたがた外国人への特使に任命してくださいました。 私はこのことを非常に重んじており、できるだけ多くの機会をとらえては、そのことをユダヤ人に思い出させるようにしています。 

14. 何とかして、ユダヤ人にも、あなたがた外国人が持っているものを求めさせ、幾人かでも救いたいのです。 

15. ユダヤ人がクリスチャンになったら、どんなにすばらしいでしょう。 神様がユダヤ人から御顔をそむけたために、神様の救いが、世界のユダヤ人以外の人々に差し出されたのです。 とすれば、ユダヤ人がキリスト様に立ち返るなら、もっとすばらしいことが起こります。 それはちょうど、死人が生き返るようなものです。 

16. アブラハムや預言者は神様の民なのですから、その子孫もまた、神様の民となるはずです。 木の根がきよければ、その枝もきよくなるはずだからです。

17. ところが、アブラハムという木の幾枝か――すなわちユダヤ人のある者――は折り取られてしまいました。 そして、いわば野生のオリーブの木の枝であった外国人のあなたが、それにつぎ木されました。 それで今、あなたも、神がオリーブの木に注がれる、特別豊かな滋養分にあずかって、アブラハムとその子孫とに約束された祝福をいただいているのです。

18. しかし、折り取られた枝の代わりにつぎ木されたことを自慢しないように、注意しなさい。 あなたが重要なのは、ただ神様の木の一部になっているからです。 このことを忘れてはなりません。 あなたは、ただの枝であって根ではないのです。

19. あなたは「前の枝が折り取られたのは、私に場所を譲るためだった。 とすれば、私はかなりいい人間に違いない」と考えるかもしれません。

20. 気をつけなさい。 ユダヤ人のその枝が折り取られたのは、神様を信じなかったからであり、あなたがつぎ木されたのは、ただ神様を信じたからにほかなりません。 このことを忘れないようにしなさい。 高慢になってはいけません。 むしろ、謙虚になり、感謝する人になりなさい。 また、注意深くなければなりません。 

21. もし神様がもとの木の枝を惜しまれなかったとすれば、あなたをも惜しまれないでしょう。

22. 神様がどんなに恵み深く、また、どんなにきびしい方かを考えなさい。 不従順な者には、非常にきびしい方ですが、神様を愛し、信じ続ける者には、とても恵み深いお方です。 しかし、もしそうしないなら、あなたもまた、折り取られてしまうのです。 

23. 一方、ユダヤ人が不信仰な生き方をやめて神様に立ち返るなら、神様はまた、もとの木についでくださいます。 神様には、そうする力があるのです。

24. あなたは、野生のオリーブの木の一部として、神様から遠く離れた存在でしたが、神様は喜んで受け入れ、ご自分の良い木についでくださったのです。 これは異例のことです。 とすれば、もともとその木の枝であったユダヤ人にはどうでしょう。 もっとたやすく、もとの木につぎ木しようと、構えておられるのではないでしょうか。

25. 愛する皆さん。 この神様の真理を知っていただきたいのです。 そうすれば、高ぶったり、自慢したりすることもないでしょう。 確かに、今のところ、ユダヤ人のある者は、神様の良い知らせに反対しています。 しかし、そのような状態が続くのは、あなたがた外国人のうち、そう願う者がすべて、キリスト様のもとに来る時までにすぎません。 

26. その時が来れば、イスラエル人はみな救われます。このことについて、預言者は何と言っているでしょう。「一人の救い手がシオンから出て、ユダヤ人をあらゆる不敬虔から立ち返らせる。

27. その時わたしは、約束どおり、彼らの罪を取り除く。」

28. 今のところ、ユダヤ人の多くは、神様の良い知らせに敵対し、それを憎んでいます。 しかし、そのことはかえって、あなたがたには益となりました。 というのは、神様がその贈り物を、あなたがた外国人に与えてくださることになったからです。 しかし、ユダヤ人は、神様がアブラハム、イサク、ヤコブにお与えになった約束のゆえに、今でも愛されているのです。 

29. 神様の贈り物と招きは決して取り消されないからです。 神様は決して、約束を破ったりはなさいません。 

30. あなたがたは、以前は神様に逆らっていましたが、ユダヤ人が神様の贈り物を拒んだので、代わりに、神様のあわれみを受けることになりました。 

31. そして今、ユダヤ人は神様に逆らっていますが、いつの日か彼らもまた、あなたがたの受けている神様のあわれみを共に受けるようになるのです。 

32. なぜなら、神様はすべての人を同じようにあわれもうとして、すべての人が不従順の罪に落ちるままにされたからです。

33. ああ、なんとすばらしい神様を、私たちは信じていることでしょう。 神様の知恵と知識と富は、なんと偉大なことでしょう。 神様の取り決めと方法とを理解することなど、とうていできません。 

34. いったいだれが、主のお心を知ることができますか。 だれが、主の相談相手、案内役となるほどの知識を持っていますか。 

35. また、いったいだれが、主から報いがいただけるほど十分に、主にささげましたか。 

36. というのも、すべてのものは、ただ神様から出ているからです。 すべてのものは、神様に生かされており、神様の栄光のために存在しているのです。 どうか、この神様に栄光がとこしえにありますように。