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ルカによる福音書 16:20-31 リビングバイブル (JLB)

20. ある日のこと、その家の門前に、ひどい病気にかかったラザロというこじきが横になっていました。 

21. 金持ちの家の食べ残りでもいい、とにかく食べ物にありつきたいと思っていたのです。 かわいそうに、犬までが、おできだらけのラザロの体をなめ回します。 

22. やがて、このこじきは死にました。 御使いたちに連れられて行ったのは、生前神を信じ、正しい生活を送った人たちのところでした。 そこで、アブラハムといっしょにいることになったのです。 そのうち、金持ちも死んで葬られましたが、 

23. 彼のたましいは地獄に落ちました。 苦しみあえぎながら、ふと目を上げると、はるかかなたに、アブラハムといっしょにいるラザロの姿が見えます。

24.  金持ちはあらんかぎりの声を張り上げました。 『アブラハム様ーっ! どうぞお助けを。 お、お願いでございまーす。 ラザロをよこし、水に浸した指先で、ほんのちょっとでも舌を冷やさせてください。 この炎の中では、もう苦しくて、苦しくてたまりません。』

25.  しかし、アブラハムは答えました。 『思い出してもみろ。 おまえは生きている間、ほしい物はなんでも手に入れ、思うままの生活をした。 だがラザロはどうだ。 全くの無一物だった。 それで今は反対に、ラザロは慰められ、おまえは苦しむのだ。 

26. それに、そちらへ行こうにも、間に大きな溝があって、とても行き来はできない。』

27.  『ああ、アブラハム様。 それならせめて、ラザロを私の父の家にやってください。 

28. まだ五人の兄弟がいるのです。 彼らだけは、こんな目に会わせたくありません。 どうぞ、この恐ろしい苦しみの場所があることを、教えてやってください。』

29.  『それは聖書が何度も警告してきたことではないかね。 その気があれば、いつでも読めるはずだよ。』

30.  金持ちはあきらめません。 『でも、アブラハム様。 彼は、聖書を読みたがらないのでございます。 ですが、もしだれかが死人の中から遣わされて行ったら、彼らも罪深い生活から立ち直れるでしょう。』

31.  アブラハムはきっぱり言いきりました。 『モーセと預言者たちのことばに耳を貸さないのなら、だれかが生き返って話したところで同じことだ。 彼らは聞こうとしないだろう。』」

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