チャプター

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  11. 11
  12. 12
  13. 13
  14. 14
  15. 15
  16. 16
  17. 17
  18. 18
  19. 19
  20. 20
  21. 21
  22. 22
  23. 23
  24. 24
  25. 25
  26. 26
  27. 27
  28. 28

旧約聖書

新約聖書

マタイによる福音書 15 リビングバイブル (JLB)

1.  パリサイ人やユダヤ人の指導者たちが、イエスに会いに、はるばるエルサレムからやって来ました。 

2. 彼らは、「どうしてあんたの弟子たちは、ご先祖様の言い伝えを守らないのか。 食事の前に手を洗わないとは、けしからん」と問い詰めました。

3.  そこでイエスは、こう言われました。 「それならお聞きします。あなたがたも自分たちの言い伝えのために、神のおきてを破っていますね。 それはどういうわけですか。 

4. たとえば、おきてには、『あなたの父と母とを敬え。 だれでも父や母をののしる者は死刑に処せられる』とあります。 

5-6. ところが、どうでしょう。 あなたがたは、両親が困っていようが何だろうが、『このお金は教会にささげました』と言いさえすれば、もう両親のためにそのお金を使わなくてもよいと教えています。 つまり、人間の作った規則を盾にとって、両親を敬い、そのめんどうを見なさいという神のおきてを破っているのです。 

7. まさに偽善者です。 全くイザヤが預言したとおりです。

8.  『彼らは口先ではわたしを敬うが、心はわたしから遠く離れている。

9.  彼らがわたしを拝んでも、むだなことだ。神のおきての代わりに、人間の規則を教えているのだから。』」

10.  それからイエスは、群衆を呼び寄せて言われました。 「いいですか、よく聞きなさい。 

11. おきてで禁じられている物を食べたからといって、汚れるわけではありません。 人を汚すのは、口から出ることばであり、心の思いなのです。」

12.  その時、弟子たちが来て言いました。 「先生があんなことをおっしゃったので、パリサイ人たちはかんかんですよ。」

13.  しかし、イエスは言われました。 「わたしの父がお植えにならなかった木は、みな根こそぎ抜かれてしまいます。 

14. だから、あの人たちのことは放っておきなさい。 彼らは盲人なのです。 おまけに、ほかの盲人の道案内までして、結局、二人とも溝にはまってしまうでしょう。」

15.  すると、ペテロが尋ねました。 「おきてで、きよくないとされている物を食べても汚れないというのは、どうしてですか。」

16.  イエスは言われました。 「こんなことがわからないのですか。 

17. 口から入る物は何でも腹に入って、外へ出ます。 

18. ところが、悪いことばは悪い心から出てくるので、人を汚すのです。 

19. つまり、悪い考え、殺人、姦淫、不品行、盗み、うそ、また悪口などは、心から出て、 

20. 人を汚すのです。 だが、食事の前に手を洗うという規則を破ったからといって、汚れるわけではありません。」

21.  イエスはその地方を去り、ツロとシドンに向かわれました。数々の奇蹟

22.  この地方に住んでいるカナン人の女がイエスのところに来て、必死に願いました。 「主よ。 ダビデ王の子よ! お願いでございます。 どうか、私をあわれと思ってお助けくださいまし。 娘が悪霊に取りつかれて、ひどく苦しんでいるのです。」

23.  しかし、イエスは堅く口を閉ざして、ひと言もお答えになりません。 とうとう弟子たちが、「あの女に早く帰るように言ってください。 あんまりしつこいので、うるさくてしかたがありません」と頼みました。

24.  それでイエスは、「わたしが遣わされたのは、外国人を助けるためではありません。 ユダヤ人を助けるためです」と説明なさいました。 

25.  それでも女は、イエスの前にひれ伏し、「主よ。 どうかお助けください」と願い続けました。

26.  イエスは、「子供たちのパンを取り上げて、犬に投げてやるのはよくないことです」と言われました。

27.  しかし、女はあきらめません。 「おおせのとおりです。 でも、食卓の下にいる小犬でも、落ちたパンくずぐらいは食べさせてもらえますもの。」

28.  そのことばにイエスは感心し、「あなたの信仰は見上げたものです。 いいでしょう。 願いをかなえてあげましょう」と言われました。 ちょうどその時、娘は治りました。

29.  さて、舞台は再びガリラヤ湖に移ります。 イエスは丘に登り、腰をおろしておられました。 

30. そこへ、大ぜいの人が、足の不自由な者、盲人、体の不自由な人、聾唖者をはじめ、たくさんの病人を連れて来たので、イエスはその人たちをみな治されました。 

31. なんという驚くべき光景でしょう。 口のきけなかった人が興奮して話しだし、歩けなかった人が歩きだし、目の見えなかった人が見えるようになったのです。 人々は驚き、心からイスラエルの神をほめたたえました。

32.  イエスは、弟子たちを呼び寄せられました。 「この人たちがかわいそうです。 もう三日もわたしといっしょにいるのですから。 食べ物はとっくにないようだし、このまま帰らせたら、きっと途中で倒れてしまうでしょう。」

33.  「でも、こんな寂しい所で、これほどたくさんの人ですよ……。それだけの食べ物を、いったいどこで手に入れるのですか。」

34.  「今、手もとにある食べ物は?」「パンが七つと、小さい魚がほんの少しだけです。」

35.  それを聞くと、イエスは、みんなを地べたに座らせました。 

36. そして、七つのパンと魚を取り、神に感謝をささげてから、それを裂き、弟子たちに渡して、一人一人に配らせました。 

37-38. 婦人や子供を除いても、四千人もの群衆でしたが、だれもが満腹するほど食べました。 あとでパンくずを拾い集めると、なんと七つのかごがいっぱいになりました。

39.  そこで、イエスは人々を家に帰し、舟に乗ってマガダン地方へ向かわれました。まちがった教え