8. 例の領主たちは、さっそく七本の弓弦を持って来ました。 デリラは眠っているサムソンを縛り上げ、
9. 隣室には幾人かを潜ませておいて、大声で叫んだのです。「サムソン! ペリシテ人が来たわ!」するとどうでしょう。 サムソンは、弓弦を木綿糸のように断ち切ってしまったのです。 こうして彼の力の秘密は、だれにも知られずじまいでした。
10. するとまた、デリラはサムソンにからみました。 「あたしをからかったのね。 うそつき。 ねえ、どうしたらあんたを縛り上げることができるのか、教えてちょうだい。」
11. 「わかったよ。 まだ使ったことのない新しい綱で縛ってみろ。普通の人と同じぐらいの力しか出せないよ。」
12. それでデリラは、サムソンが眠ったころを見はからって新しい綱を取り出し、縛り上げました。 前と同じように隣室に幾人かを潜ませ、またも大声で叫んだのです。「サムソン! ペリシテ人が捕まえに来たわ!」ところがサムソンは、まるでくもの巣でも払うように、綱を腕からはずしてしまったではありませんか。