5. そのころ、ハギテの子であるアドニヤは、自分こそ老いた父に代わって王位につくべきだと考えて、戦車を買い集め、騎兵を雇い、彼の前を走る五十人の近衛兵をそろえました。
6. ところで、父のダビデ王は、これまで一度も、彼をたしなめたことがありませんでした。 彼はアブシャロムのすぐ下の弟で、とてもハンサムでした。
7. ヨアブ将軍と祭司エブヤタルに思惑を打ち明けると、二人とも賛成です。
8. しかし、祭司ツァドク、ベナヤ、預言者ナタン、シムイ、レイ、ダビデ軍の勇士たちは、あくまでも王に忠誠を尽くし、アドニヤに味方するようなことはしませんでした。
9. アドニヤはエン・ロゲルへ行き、蛇の石のそばで、羊、牛、太った子やぎをいけにえとしてささげました。 それから、即位式の立会人として、兄弟とユダの政府高官を全員招きました。
10. ただし、預言者ナタン、ベナヤ、王の勇士たち、それに、兄弟のうち、弟ソロモンだけは招きませんでした。
11. 預言者ナタンは、ソロモンの母バテ・シェバに会い、こう勧めました。 「ハギテの子アドニヤが王になり、しかも、陛下が少しもお気づきでないことを、ご存じですか。
12. ご自身と、ご子息ソロモン様の無事を願われるなら、これから申し上げるとおりになさってください。
13. すぐ陛下のところへ行って、『陛下は私に、ソロモンが次の王になる、とお約束になったではありませんか。 それなのに、なぜ、アドニヤが王になっているのでしょう』と申し上げるのです。
14. お話の最中に、私もまいり、訴えが事実であることを、王に確認しましょう。」
15. バテ・シェバは、言われたとおり王の寝室へ行きました。 王は非常に年老い、アビシャグが身の回りの世話をしていました。
16. バテ・シェバがていねいにおじぎをすると、王は、「何の用か」と尋ねました。
17. 「陛下に申し上げます。 陛下は、神様に誓って、わが子ソロモンが次の王になる、とおっしゃいました。
18. それなのに、アドニヤが新しい王になっています。 しかも、陛下はそれをご存じありません。