11. この女は、騒がしくて、慎みなく、その足は自分の家にとどまらず、
12. ある時はちまたにあり、ある時は市場にあり、すみずみに立って人をうかがう。
13. この女は彼を捕えて口づけし、恥しらぬ顔で彼に言う、
14. 「わたしは酬恩祭をささげなければならなかったが、きょう、その誓いを果しました。
15. それでわたしはあなたを迎えようと出て、あなたを尋ね、あなたに会いました。
16. わたしは床に美しい、しとねと、エジプトのあや布を敷き、
17. 没薬、ろかい、桂皮をもってわたしの床をにおわせました。
18. さあ、わたしたちは夜が明けるまで、情をつくし、愛をかわして楽しみましょう。
19. 夫は家にいません、遠くへ旅立ち、
20. 手に金袋を持って出ました。満月になるまでは帰りません」と。
21. 女が多くの、なまめかしい言葉をもって彼を惑わし、巧みなくちびるをもって、いざなうと、
22. 若い人は直ちに女に従った、あたかも牛が、ほふり場に行くように、雄じかが、すみやかに捕えられ、