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使徒行伝 27:2-20 日本語話し言葉 1955 (JA1955)

2. そしてわたしたちは、アジヤ沿岸の各所に寄港することになっているアドラミテオの舟に乗り込んで、出帆した。テサロニケのマケドニヤ人アリスタルコも同行した。

3. 次の日、シドンに入港したが、ユリアスは、パウロを親切に取り扱い、友人をおとずれてかんたいを受けることを、許した。

4. それからわたしたちは、ここから船出したが、逆風にあったので、クプロの島かげを航行し、

5. キリキヤとパンフリヤの沖を過ぎて、ルキヤのミラに入港した。

6. そこに、イタリヤ行きのアレキサンドリヤの舟があったので、百卒長は、わたしたちをその舟に乗り込ませた。

7. 幾日ものあいだ、舟の進みがおそくて、わたしたちは、かろうじてクニドの沖合にきたが、風がわたしたちの行く手をはばむので、サルモネの沖、クレテの島かげを航行し、

8. その岸に沿って進み、かろうじて「良き港」と呼ばれる所に着いた。その近くにラサヤの町があった。

9. 長い時が経過し、断食期も過ぎてしまい、すでに航海が危険な季節になったので、パウロは人々に警告して言った、

10. 「皆さん、わたしの見るところでは、この航海では、積荷や船体ばかりでなく、われわれの生命にも、危害と大きな損失が及ぶであろう」。

11. しかし百卒長は、パウロの意見よりも、船長や船主の方を信頼した。

12. なお、この港は冬を過ごすのに適しないので、大多数の者は、ここから出て、できればなんとかして、南西と北西とに面しているクレテのピニクス港に行って、そこで冬を過ごしたいと主張した。

13. 時に、南風が静かに吹いてきたので、彼らは、この時とばかりにいかりを上げて、クレテの岸に沿って航行した。

14. すると間もなく、ユーラクロンと呼ばれる暴風が、島から吹きおろしてきた。

15. そのために、舟が流されて風に逆らうことができないので、わたしたちは吹き流されるままに任せた。

16. それから、クラウダという小島の陰に、はいり込んだので、わたしたちは、やっとのことで小舟を処置することができ、

17. それを舟に引き上げてから、綱で船体を巻きつけた。また、スルテスの洲に乗り上げるのを恐れ、帆をおろして流れるままにした。

18. わたしたちは、暴風にひどく悩まされつづけたので、次の日に、人々は積荷を捨てはじめ、

19. 三日目には、船具までも、てずから投げすてた。

20. 幾日ものあいだ、太陽も星も見えず、暴風は激しく吹きすさぶので、わたしたちの助かる最後の望みもなくなった。

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