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旧約聖書

新約聖書

ローマ人への手紙 11 日本語話し言葉 1955 (JA1955)

第11章

1. そこで、わたしは問う、「神はその民を捨てたのであろうか」。断じてそうではない。わたしもイスラエル人であり、アブラハムの子孫、ベニヤミン族の者である。

2. 神は、あらかじめ知っておられたその民を、捨てることはされなかった。聖書がエリヤについてなんと言っているか、あなたがたは知らないのか。すなわち、彼はイスラエルを神に訴えてこう言った。

3. 「主よ、彼らはあなたの預言者たちを殺し、あなたの祭壇をこぼち、そして、わたしひとりが取り残されたのに、彼らはわたしのいのちをも求めています」。

4. しかし、彼に対する御告げはなんであったか、「バアルにひざをかがめなかった七千人を、わたしのために残しておいた」。

5. それと同じように、今の時にも、恵みの選びによって残された者がいる。

6. しかし、恵みによるのであれば、もはや行いによるのではない。そうでないと、恵みはもはや恵みでなくなるからである。

7. では、どうなるのか。イスラエルはその追い求めているものを得ないで、ただ選ばれた者が、それを得た。そして、他の者たちはかたくなになった。

8. 「神は、彼らに鈍い心と、見えない目と、聞えない耳とを与えて、きょう、この日に及んでいる」と書いてあるとおりである。

9. ダビデもまた言っている、「彼らの食卓は、彼らのわなとなれ、網となれ、つまずきとなれ、報復となれ。

10. 彼らの目は、くらんで見えなくなれ、彼らの背は、いつまでも曲っておれ」。

11. そこで、わたしは問う、「彼らがつまずいたのは、倒れるためであったのか」。断じてそうではない。かえって、彼らの罪過によって、救が異邦人に及び、それによってイスラエルを奮起させるためである。

12. しかし、もし、彼らの罪過が世の富となり、彼らの失敗が異邦人の富となったとすれば、まして彼らが全部救われたなら、どんなにかすばらしいことであろう。

13. そこでわたしは、あなたがた異邦人に言う。わたし自身は異邦人の使徒なのであるから、わたしの務を光栄とし、

14. どうにかしてわたしの骨肉を奮起させ、彼らの幾人かを救おうと願っている。

15. もし彼らの捨てられたことが世の和解となったとすれば、彼らの受けいれられることは、死人の中から生き返ることではないか。

16. もし、麦粉の初穂がきよければ、そのかたまりもきよい。もし根がきよければ、その枝もきよい。

17. しかし、もしある枝が切り去られて、野生のオリブであるあなたがそれにつがれ、オリブの根の豊かな養分にあずかっているとすれば、

18. あなたはその枝に対して誇ってはならない。たとえ誇るとしても、あなたが根をささえているのではなく、根があなたをささえているのである。

19. すると、あなたは、「枝が切り去られたのは、わたしがつがれるためであった」と言うであろう。

20. まさに、そのとおりである。彼らは不信仰のゆえに切り去られ、あなたは信仰のゆえに立っているのである。高ぶった思いをいだかないで、むしろ恐れなさい。

21. もし神が元木の枝を惜しまなかったとすれば、あなたを惜しむようなことはないであろう。

22. 神の慈愛と峻厳とを見よ。神の峻厳は倒れた者たちに向けられ、神の慈愛は、もしあなたがその慈愛にとどまっているなら、あなたに向けられる。そうでないと、あなたも切り取られるであろう。

23. しかし彼らも、不信仰を続けなければ、つがれるであろう。神には彼らを再びつぐ力がある。

24. なぜなら、もしあなたが自然のままの野生のオリブから切り取られ、自然の性質に反して良いオリブにつがれたとすれば、まして、これら自然のままの良い枝は、もっとたやすく、元のオリブにつがれないであろうか。

25. 兄弟たちよ。あなたがたが知者だと自負することのないために、この奥義を知らないでいてもらいたくない。一部のイスラエル人がかたくなになったのは、異邦人が全部救われるに至る時までのことであって、

26. こうして、イスラエル人は、すべて救われるであろう。すなわち、次のように書いてある、「救う者がシオンからきて、ヤコブから不信心を追い払うであろう。

27. そして、これが、彼らの罪を除き去る時に、彼らに対して立てるわたしの契約である」。

28. 福音について言えば、彼らは、あなたがたのゆえに、神の敵とされているが、選びについて言えば、父祖たちのゆえに、神に愛せられる者である。

29. 神の賜物と召しとは、変えられることがない。

30. あなたがたが、かつては神に不従順であったが、今は彼らの不従順によってあわれみを受けたように、

31. 彼らも今は不従順になっているが、それは、あなたがたの受けたあわれみによって、彼ら自身も今あわれみを受けるためなのである。

32. すなわち、神はすべての人をあわれむために、すべての人を不従順のなかに閉じ込めたのである。

33. ああ深いかな、神の知恵と知識との富は。そのさばきは窮めがたく、その道は測りがたい。

34. 「だれが、主の心を知っていたか。だれが、主の計画にあずかったか。

35. また、だれが、まず主に与えて、その報いを受けるであろうか」。

36. 万物は、神からいで、神によって成り、神に帰するのである。栄光がとこしえに神にあるように、アァメン。