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マルコによる福音書 9:7-26 日本語話し言葉 1955 (JA1955)

7. すると、雲がわき起って彼らをおおった。そして、その雲の中から声があった、「これはわたしの愛する子である。これに聞け」。

8. 彼らは急いで見まわしたが、もはやだれも見えず、ただイエスだけが、自分たちと一緒におられた。

9. 一同が山を下って来るとき、イエスは「人の子が死人の中からよみがえるまでは、いま見たことをだれにも話してはならない」と、彼らに命じられた。

10. 彼らはこの言葉を心にとめ、死人の中からよみがえるとはどういうことかと、互に論じ合った。

11. そしてイエスに尋ねた、「なぜ、律法学者たちは、エリヤが先に来るはずだと言っているのですか」。

12. イエスは言われた、「確かに、エリヤが先にきて、万事を元どおりに改める。しかし、人の子について、彼が多くの苦しみを受け、かつ恥ずかしめられると、書いてあるのはなぜか。

13. しかしあなたがたに言っておく、エリヤはすでにきたのだ。そして彼について書いてあるように、人々は自分かってに彼をあしらった」。

14. さて、彼らがほかの弟子たちの所にきて見ると、大ぜいの群衆が弟子たちを取り囲み、そして律法学者たちが彼らと論じ合っていた。

15. 群衆はみな、すぐイエスを見つけて、非常に驚き、駆け寄ってきて、あいさつをした。

16. イエスが彼らに、「あなたがたは彼らと何を論じているのか」と尋ねられると、

17. 群衆のひとりが答えた、「先生、おしの霊につかれているわたしのむすこを、こちらに連れて参りました。

18. 霊がこのむすこにとりつきますと、どこででも彼を引き倒し、それから彼はあわを吹き、歯をくいしばり、からだをこわばらせてしまいます。それでお弟子たちに、この霊を追い出してくださるように願いましたが、できませんでした」。

19. イエスは答えて言われた、「ああ、なんという不信仰な時代であろう。いつまで、わたしはあなたがたと一緒におられようか。いつまで、あなたがたに我慢ができようか。その子をわたしの所に連れてきなさい」。

20. そこで人々は、その子をみもとに連れてきた。霊がイエスを見るや否や、その子をひきつけさせたので、子は地に倒れ、あわを吹きながらころげまわった。

21. そこで、イエスが父親に「いつごろから、こんなになったのか」と尋ねられると、父親は答えた、「幼い時からです。

22. 霊はたびたび、この子を火の中、水の中に投げ入れて、殺そうとしました。しかしできますれば、わたしどもをあわれんでお助けください」。

23. イエスは彼に言われた、「もしできれば、と言うのか。信ずる者には、どんな事でもできる」。

24. その子の父親はすぐ叫んで言った、「信じます。不信仰なわたしを、お助けください」。

25. イエスは群衆が駆け寄って来るのをごらんになって、けがれた霊をしかって言われた、「おしとつんぼの霊よ、わたしがおまえに命じる。この子から出て行け。二度と、はいって来るな」。

26. すると霊は叫び声をあげ、激しく引きつけさせて出て行った。その子は死人のようになったので、多くの人は、死んだのだと言った。

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