6. ある日、窓の外を眺めると、
7. 物事を的確に判断できない未熟な若者が、通りを歩いていました。
8-9. もう間もなく日も暮れようという時です。 彼はいかがわしい女を訪ねました。
10. 女はなまめかしい身なりで、あつかましく若者に近づきました。
11-12. よく通りや市場で見かける、下品でがさつな女です。 そうやって、あちこちの町角で男を誘惑するのです。
13. 女はその若者を抱きしめて口づけし、何食わぬ顔で言いました。
14-15. 「ちょうどよかったわ、あなたを捜しに行くところだったの。ねえ、もう喧嘩はやめましょうよ。
16-17. ベッドには最高のエジプト麻のすてきなシーツを敷いて、没薬だの、アロエだの、シナモンだのの香りがしみ込ませてあるわ。
18. さあ、朝までうんと楽しみましょうよ。
19. 家の人は出張中よ。
20. お金をたくさん持ってったから、四、五日は帰らないわ。」