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士師記 9:37-54 リビングバイブル (JLB)

37.  「なに、おれの目がふし穴だって言うのか。 よーく見ろ! 確かに人がこっちへ来るんだ。 ほれ! ほかの一組はメオヌニムの樫の木の方から来るぞ!」

38.  するとゼブルは、向き直り、勝ち誇って言いました。 「あれほど大口をたたいたのは、どこのどなたでしたかな。 『アビメレクがどうした! なんであんなやつを王にした!』とわめいたのは、どなた様でしたかね。 あんたが見くびってののしった連中が、町を取り囲んだじゃありませんか。 さあ、さっさと戦ったらどうです。」

39.  ガアルはシェケムの人々を率いて、アビメレクと一戦を交えました。 

40. しかし、たちまち打ち負かされ、負傷者が続出して、町の門のところまでいっぱいに倒れているしまつでした。 

41. アビメレクは引き続きアルマに住み、ゼブルはガアルとその一族を追い出し、二度と入り込めないようにしました。

42.  翌日、シェケムの人々は再起をはかって戦いに打って出ました。ところが、そのことをアビメレクに通報する者があったので、 

43. 彼は兵を三隊に分け、野原で待ち伏せました。 そして、人々が勇んで出て来たところを、飛び出して襲いかかったのです。 

44. アビメレクとその一隊は、人々が引き返せないように、町の門を急襲して占拠し、ほかの二隊は野で人々を切り倒しました。 

45. 戦闘は一日中続き、ついにアビメレクは町を占領し、住民を殺し、町を破壊してしまいました。 

46. これを見て、近くのミグダルの町の住民は、バアル・ベリテの宮に続くとりでに逃げ込みました。

47-48. このことを聞いたアビメレクは、兵を率いてツァルモン山に登り、斧で木の枝を切り、束ねて背負うと、「おれのやるようにやれ」と一同に命じました。 

49. こう言われて、家来はめいめい、急いで枝を切って束ね、かついでとりでの町に引き返しました。 そしてアビメレクのするとおり、たきぎをとりでの回りに積み上げ、火をつけたのです。 それで、とりでの中にいた約千人の男女が焼け死んでしまいました。

50.  次にアビメレクは、テベツの町を攻撃し、占領しました。 

51. しかし、町にはとりでがあったので、住民はみなそこに逃げ込みました。人々はバリケードを築いて立てこもり、屋根に見張りを立てました。

52. ところが、アビメレクがとりでを焼き打ちにしようと近づいた時、

53. 屋根の上にいた一人の女が石臼を投げたのです。 それがアビメレクの頭上に落ち、頭蓋骨を打ち砕いてしまいました。

54.  「殺してくれ!」 アビメレクはよろい持ちの若者に向かってうめきました。 「女の手にかかったなんて言われてたまるか。」  もう、どうにもなりません。 その若者は剣で刺し通しました。これがアビメレクの最期でした。 

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