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創世記 50:7-26 リビングバイブル (JLB)

7.  いよいよ出発です。 王の顧問をはじめ、エジプト中の高官たちも同行しました。 

8. もちろん、ヨセフの兄弟とその家族も全員いっしょです。 ただ、子供たちと家畜はあとに残りました。 

9. そういうわけで、一行はたいへんな行列になりました。 たくさんの戦車と騎兵が護衛にあたる大部隊です。

10.  やがてヨルダン川を越え、アタデ〔「木いちごの打ち場」の意〕まで来ました。 ひとまずそこで、盛大な葬式を行なうことにしました。七日間、ヨセフの父の死を嘆き悲しむのです。 

11. 土地のカナン人は、それからその場所を、アベル・ミツライム〔「エジプト人の嘆き」の意〕と呼ぶようになりました。 葬式の有様を見て、「あのエジプト人たちには、この葬式はよっぽど悲しいものなんだなあ」と言い合ったからです。 

12-13. こうしてイスラエルの息子たちは、父親の命令どおりにしました。 遺体をカナンの地へ運び、マクペラのほら穴に葬ったのです。 マムレの近くで、アブラハムがヘテ人エフロンから買った畑の中のほら穴です。

14.  そのあとヨセフは、兄弟や、葬儀のために同行した人たち全員と、エジプトへ帰りました。 

15. ところが兄たちは、急に心配になってきました。 父親が死んでしまった今、どんな仕返しをされるかわかりません。「ヨセフにはずいぶんひどいことをしたからな。 今度こそ仕返しされるかもしれないぞ。」 

16-17. そこで、ヨセフに手紙を出しました。 「実は、父さんが死ぬ前に、言い残したことがあるのです。 われわれとあなたの仲を心配して、過ぎたことは水に流すよう言ってくれ、それだけが気がかりだ、ともらしていました。 われわれはあなたの父の神様に仕えるしもべです。 どうぞ、昔のことは赦してください。」 ヨセフは手紙を読むと激しく泣きました。

18.  兄たちも気が気ではなく、わざわざ出向いて来ました。 「手紙でも申し上げたとおり、われわれはあなたの奴隷です。」 そろってヨセフの前にひれ伏し、恐る恐る言いました。

19.  ところが、ヨセフの返事は意外でした。 「そんなにこわがらないでくださいよ、兄さん。 私だって神様じゃないんですから、さばくの罰するのと大それたことなんかできません。 

20. そりゃあ、あの時は、ずいぶんひどいことをするもんだって思いましたよ。 でも、そのおかげで、家族みんなが助かったじゃありませんか。 悪意から出たことでも、神様はちゃんと良いことに役立てられるんです。 私のような者が今日あるのもみな、神様の深いお考えがあってのことだったのです。 たくさんの人のいのちを救うためなんです。 

21. だから、心配なんかしないでください。 兄弟じゃありませんか。 今後のことは万事お任せください。 悪いようにはしませんよ。」 なんというやさしいことばでしょう。 もう心配はありません。

22.  こうして、ヨセフと兄弟の一族は、そのままずっとエジプトに住みつきました。 ヨセフは死んだとき百十歳でした。 

23. 長生きしたので、エフライムの子供たちばかりか、マナセの子マキルの子供たちの顔も見ることができました。 かわいい曾孫たちが、よく彼の足もとで遊んでいたものです。

24.  ヨセフは兄弟たちに遺言しました。 「もうじき私は死にます。 けれどもイスラエル人は、このままでは終わりません。 必ずカナンへ帰れます。 神様が、アブラハム、イサク、ヤコブの子孫に与えると約束した土地に、連れ帰ってくださるのです。」 

25. このあと兄弟たちに、カナンへ帰るあかつきには、自分の遺体を必ず運び帰るように、と誓わせました。 

26. こうして、ヨセフは百十歳で死にました。 人人は遺体をミイラにし、棺に納めてエジプトに安置しました。

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