7. 「みんなが畑で束をたばねていたんだ。 そしたらぼくの束が、いきなりすっくと立ち上がった。 それからどうなったと思う? 兄さんたちの束が回りに集まって来て、ぼくの束におじぎをするんだ。」
8. 「じゃあ何かい、おまえがおれたちの主人になるとでもいうのかい?」 兄たちはせせら笑いました。 「いつものことだが、なんて生意気なやつだ。 だいいち、あの夢が気にくわない。」 そう思うと、ますます憎らしくなるばかりです。
9. ヨセフはまた夢を見て、兄たちに話しました。「この前また夢を見たんだけどさ、太陽と月と十一の星が、ぼくにおじぎしたんだぜ。」
10. 今度は父親にも話をしました。 父親はさすがに彼をしかりとばしました。「いったいどういうことかね。 母さんと兄さんたちだけでなく、わしまでが、おまえにおじぎをするのかね?」
11. 兄たちはくやしくてたまりません。 しかし、父親はいったいどういう意味なのかと、あれこれ考えあぐねるのでした。
12. ある日のこと、兄たちはシェケムへ出かけました。 羊の群れに草を食べさせるのです。
13-14. 数日後、イスラエルはヨセフを呼び寄せて言いました。「兄さんたちはシェケムで羊に草を食べさせている。 ちょっと行って、ちゃんと仕事をしているかどうか、家畜の状態はどうか調べてくれないか。 わかったら、戻って報告してくれ。」「わかりました、お父さん。」 ヨセフはさっそくヘブロン谷の家を出て、シェケムへ向かいました。
15. ところが、なかなか兄たちが見つかりません。 野原のあたりをうろうろしていると、一人の人に呼び止められました。「おまえさん、だれを捜してるのかね。」
16. 「兄と羊の群れです。 見かけませんでしたか?」