10. それを怒らすほど勇気のある者はいない。 まして、それを征服するなど大それた話だ。 だれ一人その前に立ちはだかることができない。 だとしたら、だれがわたしの前に立てようか。
11. わたしはだれにも借りがない。 天の下にあるものはみな、わたしのものだ。
12. またレビヤタンには、手足と巨大な体にみなぎる、途方もない力がある。
13. だれがその厚い皮をはぎ、重なり合ったうろこの間に入れるか。
14. その鋭い歯は見るからに恐ろしい。
15-17. ご自慢の、うろこがびっしり重なり合ったよろいは、密封してあって空気も通さず、どんな物もそれを刺し通せない。
18. それがくしゃみすると、陽の光は霧ごしにいなずまのように光り、その目は火花のように輝く。
19. 口は火を吐き、
20. 鼻からは煙が出る。 かわいた藺草を燃やし、その上にかけた煮えたぎる釜から水蒸気が立ちのぼるように。
21. その息は炭火をおこし、口から炎がほとばしる。