2-3. 「ああ、わしはなぜ生まれたのか! こんなことなら、いっそ生まれないほうがよかった!
4. 誕生日なんか、なくなってしまえっ! 神にさえ見捨てられ、永遠の暗やみに包まれてしまえっ!
5-6. そうだ、暗やみがその日を引き取り、黒雲がおおい隠せ。 その日がカレンダーから消され、ほかの月日とともに指折り数えられないようになれ。
7. その夜を吹きさらしにし、喜びを追い出せ。
8. のろいの名人よ、その日をのろってくれ。
9. その夜は、星も出るな。 どんなに光を待ちあぐねても夜は明けず、朝がくるな。
10. こんな災難に会うため、わざわざ生まれて来たわしのために。
11. ああ、なぜ、生まれてすぐ死ななかったのか。
12. なぜ、産婆はわしを生かしておき、乳房をふくませて養い育てたのか。
13. 生まれてすぐ死んでいたら、今ごろ安らかに眠っていただろうに。
14-15. 飛ぶ鳥を落とす勢いの総理大臣や王たち、また城の中に財宝を積み上げた羽振りのいい領主たちと、いっしょになっていただろうに。