旧約聖書

新約聖書

ヨブ記 1:9-22 リビングバイブル (JLB)

9.  「あたり前ですよ。 あなたが特別ひいきにしているんだから。 

10. あなたはいつも、彼とその家庭、持ち物を守っているじゃないですか。 それに、彼のすることは何でも栄えるように目をかけている。 これじゃあ、金がうなるほどあっても不思議はない。 あなたを拝むふりをして当然ですよ。 

11. 試しに、やっこさんの財産を取り上げてみるんですな。 きっとあなたをのろいますぜ。」

12-13. 「彼の財産のことは、おまえの好きなようにしてよい。 ただし、彼の体に触れてはならんぞ。」こうして、サタンは出て行きました。 それからしばらくして、ヨブの息子、娘たちが長兄の家で祝宴を張っている時、悲劇の幕が切って落とされました。

14-15. 使者がヨブの家に飛んで来て、悲報を伝えたのです。 「た、たいへんです。 牛が畑を耕し、そばでろばが草を食べているところへ、いきなりシェバ人が襲いかかりました。 家畜はさらわれ、作男たちは皆殺しです。 どうにか助かったのは私ひとりです。」

16.  彼の話がまだ終わらないうちに、別の使いが、いっそう悪い知らせを伝えました。 「恐ろしいことです。 神の火が天から下って、羊と牧童を残らず焼き殺しました。 難を免れたのは私だけです。」

17.  この男が報告し終えないうちに、もう一人の使者が息せき切って駆け込んで来ました。 「だんな様ーっ。 三組のカルデヤ人の野盗がらくだを奪い、召使たちを殺したのです。 私ひとりが、なんとか逃げて来ました。」

18.  彼がなおも話している間に、さらにもう一人が駆けつけました。 「お子さんたちが大へんです。 皆さん、ご長男の家で宴会を開いておいででした。 

19. すると突然、砂漠の方から大風が吹きつけて、家を直撃したのです。 それで屋根が落ち、その下敷きになって、皆さんお亡くなりに……。 私だけが、どうにか命拾いをしました。」

20.  この時ヨブは立ち上がり、悲しみのあまり上着を引き裂き、地にひれ伏して、 

21. 神様に言いました。 「生まれた時、私は裸でした。 死ぬ時も、何一つ持って行けません。 私の持ち物は全部、神様が下さったものです。 ですから、神様はそれを取り上げる権利もお持ちです。 いつでも、どんな時でも、神様の御名がたたえられますように。」

22.  このような事態になっても、ヨブは罪を犯したり、神様を悪しざまに言ったりしませんでした。

完全な章を読みます ヨブ記 1