8. ああ神様。敵に背を見せてしまった今となっては、どうすることもできません。
9. カナン人や近隣の民族がこれを聞けば、攻めて来るに決まっています。 もはや全滅です。 そうなれば、神様の大いなる御名の栄誉はどうなるのでしょう。」
10-11. しかし、神様はお答えになりました。 「顔を上げて、立て。イスラエルは罪を犯したのだ。 わたしの命令に背いて、取ってはならないと命じた戦利品を盗んだのだ。 盗んだだけではない。 偽って、自分の持ち物の中に隠しているのだ。
12. だから、おまえたちは敗れた。 これで、敗北の原因がわかったろう。 今では、イスラエルのほうが滅ぼされる運命にある。 その罪が完全に取り除かれなければ、もう、おまえとは共に歩まない。
13. 立て。 みなにこう告げよ。 『各自、あすに備えて、きよめの儀式を行なえ。 イスラエルの神様である主がこう言われるからだ。だれかが神様のものを盗んだ。 この罪を処分するまで、敵を破ることはできない。
14. 明朝、あなたがたは部族ごとに進み出なさい。神様が犯人のいる部族を摘発なさるだろう。 その部族は氏族に分かれて進み出なさい。 神様が犯人の属する氏族を示してくださるだろう。 次に、その氏族は家族ごとに進み出なさい。 そして、犯人を含む家族はみな、一人ずつ前へ出るのだ。
15. 神様のものを盗んだ者は、全財産もろとも、火で焼かれるがいい。 神の契約を破って、全イスラエルに災難をもたらしたからだ。』」
16. 翌朝はやく、ヨシュアは神様の前に、イスラエルの各部族を連れ出しました。 すると、ユダ部族に犯人がいることがわかったのです。
17. ついでユダの各氏族を進み出させると、ゼラフの氏族だとわかりました。 今度は、家族に分かれて神様の前に進み出たところ、ザブディの家族だということになりました。
18. ザブディ家の男子が一人ずつ連れ出されると、ついに、犯人はザブディの孫アカンであると判明したのです。
19. ヨシュアはアカンにただしました。 「よいか。 イスラエルの神様に栄光を帰すのだ。 ほんとうのことを白状しろ。 さあ、何をしたか、包み隠さず話せ。」
20. 「私はイスラエルの神様に対して、取り返しのつかない罪を犯しました。
21. ちょっと見たら、バビロン産の美しい外套と、金の延べ棒と、銀とがあったんです。 銀は六万円もするだろうし、金のほうは十五万円の値打があると思いました。 すると、矢も盾もたまらず欲しくなりました。 それで、そいつを自分のテントの下に埋めたんです。 銀はいちばん深い所に隠しました。」
22. さっそく人をやって、戦利品を捜させました。 テントへ駆けつけた面々は、アカンの供述どおり、隠してあった盗品を掘り出し、さらに深い所からは銀を見つけました。
23. それらはすべてヨシュアのもとへ運ばれ、神様の前に並べられました。