旧約聖書

新約聖書

サムエル記下 3:17-31 リビングバイブル (JLB)

17.  その間、アブネルはイスラエルの指導者たちと協議し、一同が長年ダビデの支配を望んでいたことを、確かめました。

18.  「今こそ、時がきたのだ! 神様が、『わたしはダビデによって、わたしの国民をペリシテ人から、また、すべての敵から救い出そう』とおっしゃったではないか。」 アブネルはきっぱり宣言しました。

19.  アブネルはまた、ベニヤミン部族の指導者たちとも話し合いました。 それからヘブロンへ行き、イスラエルおよびベニヤミンの人々との会見の経過を、ダビデに報告したのです。 

20. 二十人の部下を率いたアブネルを、ダビデは祝宴を張ってもてなしました。

21.  アブネルはダビデのもとを辞する時、こう約束しました。 「帰りしだい、全イスラエルを召集いたします。 多年のお望みがかないますぞ。 全国民はきっと、あなた様を王に選ぶでしょうからな。」ダビデはアブネルを無事に送り出したのです。

22.  ちょうど入れ違いに、ヨアブとダビデ軍の兵士たちが、戦利品をどっさりかかえて、奇襲攻撃から戻って来ました。 

23. ダビデ王のもとを訪れたアブネルとの話し合いが、極めて友好的だったと聞くと、 

24-25. ヨアブは王のもとへ飛んで行きました。 「あんまりではございませんか。 アブネルをむざむざお帰しになるなど、もってのほかですよ。 あいつの魂胆はご存じでしょう。 われわれを攻めるために、動静を探りに来たに決まっております!」

26.  ヨアブは直ちにアブネルを追わせ、連れ戻すようにと命じたのです。 追手はシラの井戸あたりで追いつき、いっしょに引き返しました。 ただし、ダビデはこのことを知りませんでした。 

27. ヘブロンに着いたアブネルを、ヨアブは個人的な話があるように見せかけて、町の門のわきへ呼び出しました。 ところが、やにわに短剣を抜き、アブネルを刺し殺してしまったのです。 こうして弟アサエルの仇を報いました。

28.  この一件を知らされたダビデは、はっきり言い切りました。「わしは神様に誓う。 わしも国民も、このアブネル殺しの罪には全く関与しておらん。 

29. その責任は、ヨアブとその一家に降りかかるのだ。 ヨアブの家は子々孫々、癌やらい病にむしばまれ、不妊の者、飢え死にする者、剣に倒れる者が絶えないだろう。」

30.  ヨアブとその兄弟アビシャイがアブネルを殺したのは、ギブオンの戦いで殺された、弟アサエルの仇を討つためでした。

31.  ダビデは、ヨアブおよび彼とともにいた全員に布告しました。「アブネルのために嘆き悲しみ、喪に服すのだ。」 ダビデ王は墓地まで棺につき添いました。 

完全な章を読みます サムエル記下 3