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サムエル記下 3:12-29 リビングバイブル (JLB)

12.  アブネルはダビデに使者を立て、次の件を申し入れました。 イスラエル王国を引き渡すのと交換に、自分を、イスラエルとユダの連合軍の最高司令官にしてほしいというのです。

13.  ダビデは答えました。 「よかろう。 ただし、わしの妻である、サウル王の娘ミカルを連れて来い。 それが条件だ。」 

14. それからダビデは、使者を立て、イシュ・ボシェテに申し入れました。 「私の妻ミカルを返してください。 ペリシテ人百人のいのちと引き替えにめとった妻です。」

15.  それでイシュ・ボシェテは、ミカルをその夫、ライシュの子パルティエルから取り返しました。 

16. パルティエルはバフリムまで、泣き泣きあとを追って来ましたが、アブネルに「もう帰れ」と言われて、すごすご引き返して行きました。

17.  その間、アブネルはイスラエルの指導者たちと協議し、一同が長年ダビデの支配を望んでいたことを、確かめました。

18.  「今こそ、時がきたのだ! 神様が、『わたしはダビデによって、わたしの国民をペリシテ人から、また、すべての敵から救い出そう』とおっしゃったではないか。」 アブネルはきっぱり宣言しました。

19.  アブネルはまた、ベニヤミン部族の指導者たちとも話し合いました。 それからヘブロンへ行き、イスラエルおよびベニヤミンの人々との会見の経過を、ダビデに報告したのです。 

20. 二十人の部下を率いたアブネルを、ダビデは祝宴を張ってもてなしました。

21.  アブネルはダビデのもとを辞する時、こう約束しました。 「帰りしだい、全イスラエルを召集いたします。 多年のお望みがかないますぞ。 全国民はきっと、あなた様を王に選ぶでしょうからな。」ダビデはアブネルを無事に送り出したのです。

22.  ちょうど入れ違いに、ヨアブとダビデ軍の兵士たちが、戦利品をどっさりかかえて、奇襲攻撃から戻って来ました。 

23. ダビデ王のもとを訪れたアブネルとの話し合いが、極めて友好的だったと聞くと、 

24-25. ヨアブは王のもとへ飛んで行きました。 「あんまりではございませんか。 アブネルをむざむざお帰しになるなど、もってのほかですよ。 あいつの魂胆はご存じでしょう。 われわれを攻めるために、動静を探りに来たに決まっております!」

26.  ヨアブは直ちにアブネルを追わせ、連れ戻すようにと命じたのです。 追手はシラの井戸あたりで追いつき、いっしょに引き返しました。 ただし、ダビデはこのことを知りませんでした。 

27. ヘブロンに着いたアブネルを、ヨアブは個人的な話があるように見せかけて、町の門のわきへ呼び出しました。 ところが、やにわに短剣を抜き、アブネルを刺し殺してしまったのです。 こうして弟アサエルの仇を報いました。

28.  この一件を知らされたダビデは、はっきり言い切りました。「わしは神様に誓う。 わしも国民も、このアブネル殺しの罪には全く関与しておらん。 

29. その責任は、ヨアブとその一家に降りかかるのだ。 ヨアブの家は子々孫々、癌やらい病にむしばまれ、不妊の者、飢え死にする者、剣に倒れる者が絶えないだろう。」

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