旧約聖書

新約聖書

サムエル記下 18:4-18 リビングバイブル (JLB)

4.  ついに王も、「わかった。 言うとおりにしよう」とうなずきました。 王は町の門に立って、全軍が出陣するのを見送りました。

5.  王はヨアブ、アビシャイ、イタイに、「わしに免じて、あの若いアブシャロムには、手ごころを加えてやってくれ」と命じました。全兵士は、王が指揮官たちにそう命じるのを聞いていました。

6.  こうして、戦いはエフライムの森で始まったのです。 

7. イスラエル軍はダビデ軍に撃退され、ばたばたと兵士が倒れて、その日のうちに、なんと二万人がいのちを落としました。 

8. 戦いはこの地方一帯に広がり、殺された者よりも、森で行方不明になった者のほうが、はるかに多い有様でした。 

9. 戦いの最中、アブシャロムは幾人かのダビデ軍兵士に出くわしました。 らばに乗って逃げていたアブシャロムは、大きな樫の木の枝がおおいかぶさる下を通り抜ける時、髪を枝に引っかけてしまいました。 らばはそのまま行ってしまい、アブシャロムだけが宙づりになったのです。 

10. ダビデの家来の一人がそれを見て、ヨアブに知らせました。

11.  ヨアブは、「な、なんだと! やつを見つけしだい、どうして殺さなかったのだ。 たんまり褒美を取らせ、将校にでも取り立ててやったのに」と、詰め寄りました。

12.  「どれほどご褒美がいただけましょうとも、そんなことはごめんです。 私どもはみな、陛下が指揮官のお三方に『わしに免じて、若いアブシャロムに手を下すのだけはやめてくれ』とお頼みになったのを、聞いたんですから。 

13. それに、もし私が命令に背いて王子様を殺したとして、その張本人が陛下に知れた場合、将軍、あなた様が真っ先に、私を非難なさるんじゃありませんか。」

14.  「たわ事を言うな!」 こう言い捨てると、ヨアブは三本の槍を取り、宙づりになったままで息も絶え絶えの、アブシャロムの心臓を突き刺しました。 

15. ヨアブ直属の若いよろい持ち十人も、アブシャロムを取り巻き、とどめを刺しました。 

16. ヨアブはラッパを吹き鳴らし、イスラエル軍追撃をやめて、兵を引き揚げました。 

17. 一行はアブシャロムの死体を森の深い穴に投げ込み、石を山のように積み上げました。 イスラエル軍兵士は、てんでに家へ逃げ帰りました。

18.  生前アブシャロムは、王の谷に自分の記念碑を建てていました。 「私には跡取りの息子がいないから」と述懐していたそうです。 彼が「アブシャロムの記念碑」と名づけたそれは、今も残っています。

完全な章を読みます サムエル記下 18