旧約聖書

新約聖書

サムエル記下 17:7-14 リビングバイブル (JLB)

7.  「恐れながら申し上げます。 この度のアヒトフェル殿のお考えには、賛成いたしかねますな。 

8. ご承知のように、お父君とその部下たちは、りっぱな勇士でございます。 今は、子熊を奪われた母熊のように、気が立っておいででしょう。 そればかりか、戦いに慣れておられるお父君は、兵卒とともに夜を過ごしたりはなさいますまい。

9. 必ず、どこかのほら穴にでも、隠れておいでのはずです。 もしそのお父君が襲いかかり、こちらの幾人かが切り倒されでもしたら、兵が混乱し、口々に『味方がやられたぞ』と叫びだすでしょう。 

10. そうなると、どんなに勇敢な者でも、たといライオンのように強い勇士でも、ひるむでしょうな。 なにしろ、イスラエルの者はみな、お父君が偉大な勇者であり、その兵士たちも武勇にすぐれている、と知っておりますからな。

11.  むしろ、こうしてはいかがかと考えます。 まず、北はダンから南はベエル・シェバに至るまでの、イスラエル全国から兵を集め、強力な軍隊をおつくりになることです。 その大軍を率いて、自ら出陣なさるのがよろしかろうと存じます。 

12. そして、お父君を見つけしだい、全軍もろとも一気に滅ぼすのです。 一人も生かしておいてはなりません。 

13. もしどこかの町へ逃げ込んだら、全軍をその町に差し向け、城壁に綱をかけて近くの谷まで引いて行くよう、お命じなさい。 そこには、一かけらの石も残りますまい。」

14.  アブシャロムをはじめ人々はみな、「フシャイの意見のほうが、アヒトフェルの考えよりすぐれている」と思いました。 実は、これはみな、アブシャロムを痛めつけようという、神様の意図によることでした。 実際には、退けられたアヒトフェルの進言のほうが、ずっと上策だったのです。 

完全な章を読みます サムエル記下 17