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サムエル記下 13:14-35 リビングバイブル (JLB)

14.  しかし、アムノンは耳を貸そうともせず、むりやり、タマルを自分のものにしてしまったのです。 

15. すると、突然、彼の愛は憎しみに変わりました。 それは、先にいだいた愛よりも激しいものでした。「さっさと出て行け!」 アムノンはどなりました。

16.  タマルも必死です。 「とんでもない! 今、私を追い出したりなさったら、たった今のお振る舞いより、もっと大きな罪を犯すことになるのよ。」しかしアムノンは、聞く耳を持たなかったのです。 

17-18. 召使を呼ぶと、「この女を追い出し、戸を閉めてくれ」と命じました。タマルは放り出されてしまいました。 当時、未婚の王女は、みな袖のある長服を着ていましたが、 

19. こうなった今、彼女は、その服を裂き、頭に灰をかぶり、手を頭に置いて、泣きながら帰って行きました。

20.  タマルの実の兄アブシャロムは、妹に問いただしました。 「アムノンがおまえを辱しめたって? それはほんとうか。 とにかく取り乱すな。 身内でのことだからな、何も心配することはないぞ!」タマルは兄アブシャロムの住まいで、ひっそり暮らしていました。

21-24. 王はこの一件を耳にし、烈火のごとく怒りました。 しかしアブシャロムは、このことについては、アムノンに何も言いませんでした。その実、心の中では、妹を辱しめたアムノンに、煮えくり返るような怒りを覚えていたのです。 二年が過ぎました。 アブシャロムの羊の毛の刈り取りが、エフライムのバアル・ハツォルで行なわれた時、彼は父と兄弟全員を、刈り取りを祝う宴に招くことにしました。

25.  王は答えました。 「いや、アブシャロム。 わしらがみな押しかけたら、おまえに負担がかかりすぎるぞ。」アブシャロムがどんなに勧めても、ダビデは、気持ちだけをありがたく受け取ると言って、断わりました。

26.  「父上においでいただけないのでしたら、名代として、アムノンをよこしてくださいませんか。」「なに、アムノンだと? またどうして、あれを。」

27.  いくら問いただしても、アブシャロムが熱心に頼むので、ついにダビデも承知し、アムノンも含めて、王子全員の顔がそろうことになりました。

28.  アブシャロムは従者たちに命じました。 「アムノンが酔うまで待つんだ。 私が合図したら、やつを殺せ! 恐れるな。 私の命令なんだ。 勇気を出して、やり遂げてくれ!」

29-30. こうして、アブシャロムの従者の手で、アムノンは殺されたのです。 びっくりしたのは、ほかの王子たちです。 めいめいのらばに飛び乗って逃げ帰りました。 彼らがまだエルサレムへ帰り着かないうちに、次のような知らせが、ダビデのもとへ届きました。 「アブシャロム様が王子様方を皆殺しになさいました。 生き残った方は一人もありません!」

31.  王はびっくりして立ち上がり、服を裂き、地にひれ伏すように、その場に倒れ込みました。 側近も、恐れと悲しみに包まれて服を裂きました。

32-33. ところが、そこへ王の兄シムアの子ヨナダブが駆けつけて、真相を伝えました。 「違います。 王子様方がみな殺されたのではありません! 殺されたのはアムノン王子だけです。 アブシャロム様は、タマル様のことがあった日から、ずっとこの機会をねらっていたのでしょう。 王子様方みなではありません。 アムノン王子だけです。」

34.  アブシャロムが逃げたことは、言うまでもありません。 一方、エルサレムの城壁の上の歩哨は、山沿いの道から町へ向かって来る一群の人々を見たのです。

35.  ヨナダブは王に言いました。 「ご覧ください! 王子様方がおいでになります! たったいま申し上げたとおりです。」

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