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サムエル記上 9:7-26-27 リビングバイブル (JLB)

7.  「それにしても、みやげの品が何もないな。 食べ物も尽きたしね。 何を贈ったらいいだろう。」

8.  「ご心配なく。 私が少しばかりお金を持っています。 それを差し上げて、ご指示を仰いではいかがでしょう。」

9-11. 「よし、そうしよう。」話がまとまり、二人は預言者の住む町へ向かいました。 町へ通じる坂道を登って行くと、水くみに来た若い娘たちに出会いました。 そこで、「この町に先見者がおられますか」と尋ねました。 当時、預言者は先見者と呼ばれていました。 今なら「預言者のところへ行って聞こう」と言うところを、「先見者のところへ行って聞こう」と言っていたのです。

12-13. 「ええ。 この道をちょっと行った所にいらっしゃいますわ。町の門のすぐ内側です。 ちょうど旅からお戻りになったところで、人々のために丘の上でいけにえをささげようとしておられます。さあ、お急ぎになったほうがいいわ。 せっかくお訪ねになっても、丘へ行かれたあとでは仕方ありませんもの。 あのお方がおいでになって、いけにえを祝福されたあとでないと、客人は食事ができませんの。」

14.  二人は町へ急ぎました。 門にさしかかった時、丘に登ろうとやって来たサムエルに出会ったのです。 

15. 神様は前日、サムエルにこう告げておられました。

16.  「あすの今ごろ、ベニヤミン出身の者をおまえのところへ遣わそう。 その者に油を注いで、わたしの国民の上に立つ者としなさい。彼はイスラエルをペリシテ人から救い出すだろう。 わたしが彼らを顧みてあわれに思い、その叫びを聞いたからだ。」

17.  サムエルがひと目サウルを見た時、「これが、おまえに告げた者だ。 イスラエルを治めるべき者だ」と、神様の声が聞こえました。

18.  ちょうどその時、サウルはサムエルに近づいて、「先見者のお宅はどちらでしょうか」と尋ねました。

19.  「わしが、そうじゃよ。 さあ、先に立って、あの丘へ登りなされ。 いっしょに食事をしよう。 明朝、あなたが知りたいことを説き明かしてから、お見送りしよう。 

20. 三日前に消えたろばのことは、心配ご無用。 もう見つかっておる。 ともかく、今やイスラエルの富はすべて、あなたの手中にあるのじゃ。」

21.  「何ですって! 私はイスラエルの中でも最も小さいベニヤミン部族の者で、私の家は、その中でも取るに足りない存在です。 冗談はおよしください。」

22.  サムエルはサウルと連れの召使を広間に案内し、上座につかせて、すでに招かれていた三十人のどの客よりも、うやうやしくもてなしました。 

23. コック長に命じて、取っておきの特上肉を持って来させたのです。 

24. コック長は、命じられたとおり、それをサウルの前に差し出しました。サムエルは勧めました。 「さあ、どんどん召し上がってくだされ。 これは、この方々を招く前から、あなたのために取っておいたものですぞ。」サウルはサムエルとともに食事をしました。 

25. もてなしがすみ、一同が町に戻ると、サムエルはサウルを屋上に案内し、そこで話し合いました。 

26-27. 翌朝、夜が明けると、サムエルはサウルを呼びにやりました。 「起きなされ。 出立の時間ですぞ。」サウルが起きると、サムエルは町はずれまで送ってくれました。町の城壁まで来ると、サムエルはサウルに、召使を先に行かせるよう指示しました。 そうして、「わしは神様から、あなたのことで特別のおことばを託されておるのじゃ」と告げたのです。

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