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サムエル記上 9:1-19 リビングバイブル (JLB)

1.  ベニヤミン部族に、キシュという金持ちの有力者がいました。その人の父親はアビエル、アビエルの父はツェロル、ツェロルの父はベコラテ、ベコラテの父はアフィアハでした。 

2. キシュの息子サウルは、国中で一番の美青年でした。 しかも、だれよりも肩から上だけ背が高く、すらっとしていたのです。

3.  ある日、キシュのろばが迷い出てしまいました。 そこでキシュは、サウルに若者を一人つけて捜しにやったのです。 

4. 二人はエフライムの山地、シャリシャ地方、シャアリム地域、それからベニヤミンの全地をくまなく捜し回りました。 しかし、ついにろばは見つかりません。 

5. ツフの地まで捜したあと、サウルは召使の若者に言いました。 「もう帰ろう。 こうなったら、おやじはろばより、おれたちのことを心配するよ。」

6.  「若だんな様、名案がありますよ。 この町には神の人がおいでです。 だれからも厚い尊敬を集めているお方なんです。 そのお告げが、またぴたりと当たるそうでして……。 今から、お訪ねしてみましょう。 ろばがどこにいるか、きっと教えてくださいますよ。」

7.  「それにしても、みやげの品が何もないな。 食べ物も尽きたしね。 何を贈ったらいいだろう。」

8.  「ご心配なく。 私が少しばかりお金を持っています。 それを差し上げて、ご指示を仰いではいかがでしょう。」

9-11. 「よし、そうしよう。」話がまとまり、二人は預言者の住む町へ向かいました。 町へ通じる坂道を登って行くと、水くみに来た若い娘たちに出会いました。 そこで、「この町に先見者がおられますか」と尋ねました。 当時、預言者は先見者と呼ばれていました。 今なら「預言者のところへ行って聞こう」と言うところを、「先見者のところへ行って聞こう」と言っていたのです。

12-13. 「ええ。 この道をちょっと行った所にいらっしゃいますわ。町の門のすぐ内側です。 ちょうど旅からお戻りになったところで、人々のために丘の上でいけにえをささげようとしておられます。さあ、お急ぎになったほうがいいわ。 せっかくお訪ねになっても、丘へ行かれたあとでは仕方ありませんもの。 あのお方がおいでになって、いけにえを祝福されたあとでないと、客人は食事ができませんの。」

14.  二人は町へ急ぎました。 門にさしかかった時、丘に登ろうとやって来たサムエルに出会ったのです。 

15. 神様は前日、サムエルにこう告げておられました。

16.  「あすの今ごろ、ベニヤミン出身の者をおまえのところへ遣わそう。 その者に油を注いで、わたしの国民の上に立つ者としなさい。彼はイスラエルをペリシテ人から救い出すだろう。 わたしが彼らを顧みてあわれに思い、その叫びを聞いたからだ。」

17.  サムエルがひと目サウルを見た時、「これが、おまえに告げた者だ。 イスラエルを治めるべき者だ」と、神様の声が聞こえました。

18.  ちょうどその時、サウルはサムエルに近づいて、「先見者のお宅はどちらでしょうか」と尋ねました。

19.  「わしが、そうじゃよ。 さあ、先に立って、あの丘へ登りなされ。 いっしょに食事をしよう。 明朝、あなたが知りたいことを説き明かしてから、お見送りしよう。 

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