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サムエル記上 10:10-27 リビングバイブル (JLB)

10. サウルと召使が神の丘に着くと、果たせるかな、預言者の一団が近づいて来るのに出会いました。 神の御霊がサウルに下ると、彼も預言を始めたのです。

11.  そのことを聞いたサウルの友人たちは、「どうしたんだ。 あのサウルが預言者だって?」とびっくりしました。 

12. 居合わせた近所の人も、「父親もあんなふうだったかい」とささやきました。 そういうわけで、「サウルも預言者なのか」ということばが、ことわざのようになったのです。

13.  サウルは預言を終えると、丘の祭壇へと登って行きました。

14.  おじが、「いったい、どこへ行っていたんだ」と聞きました。「ろばを捜し回ってたんですが、見つからないので、サムエル様のところへ、ろばの居場所をうかがいに行ったんです。」

15.  「おや、そうかい。 それで何と?」

16.  「ろばはもう見つかった、とおっしゃいました。」 ただし、自分が王として油を注がれたことは、黙っていました。

17.  さて、サムエルは全イスラエルをミツパに召集し、 

18-19. イスラエルの神様のことばを伝えました。 「わたしはおまえたちをエジプトから連れ出し、エジプト人、および、害をもたらすすべての国民の手から、救い出してやった。 ところがどうだ。 こうまで尽くしてやったわたしを退け、『それより、王様が欲しいのです!』と叫びおる。 よろしい。 さあ、部族ごとに、また家族ごとに、わたしの前に出るがよい。」

20.  サムエルは、神様の前に部族の指導者を整列させました。 聖なるくじで、まず、ベニヤミン部族が選ばれました。 

21. ベニヤミン部族を、氏族ごとに神様の前に出させたところ、マテリの氏族が選ばれました。 こうしてついに、キシュの子サウルを選び出したのです。ところが、どこを捜しても、サウルの姿は見あたりません。

22.  人々は神様に、「いったいサウルは、どこへ行ったんでしょう。 ここに来ているのですか」と尋ねました。神様は、「見なさい。 荷物の陰に隠れている」とお答えになりました。

23.  人々はさっそく、彼を連れ出しました。 サウルが立つと、だれよりも肩から上だけ高いのが目立ちます。

24.  サムエルは全国民の前で宣言しました。 「この人こそ、神様が王としてお選びくださった人だ。 イスラエル中を捜しても、この人の右に出る者はおらんぞ!」「王様、ばんざーいっ!」 期せずして喜びの叫びがあがりました。

25.  サムエルは全国民に、王の権利と義務について語りました。 なお、それを文書にして、神様の前の特別な場所に納めました。 こうしてのち、人々を家に帰したのです。

26.  サウルもまた、ギブアの自宅に戻りました。 この時、神様によって感動させられた一群の人々もついて来て、家来となったのです。

27. ところが、中には飲んだくれやごろつき連中もいて、「あいつがおれたちを守れるもんか」と悪態をつくしまつです。 連中はサウルを軽べつし、贈り物などしようともしなかったのです。 しかしサウルは、何も言いませんでした。

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