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サムエル記上 1:6-23 リビングバイブル (JLB)

6. さらにやっかいなことには、ペニンナが、ハンナに子がないことをあれこれ意地悪く言い始めたのです。 

7. 毎年、シロに来ると必ずそうなのです。 ペニンナはハンナをあざけり、笑い者にしたのです。 そのためハンナは、泣いてばかりいて、食事ものどを通らない有様でした。

8.  「ハンナ、どうした?」 エルカナは心配顔でのぞき込みました。「なぜ、食べないんだ。 子供がないからって、そんなにやきもきすることないじゃないか。 十人の息子よりも、私のほうが良くはないかね。」

9.  シロ滞在中のある夜のこと、夕食後、ハンナは宮の方へ行きました。 祭司エリが、いつものように入口のわきの席に座っていました。

10. ハンナは悲しみのあまり、神様に祈りながら、激しくむせび泣きました。

11.  そして、次のような誓願を立てたのです。 「天地の主よ。 もしあなた様が、私の悲しみに目を留めてくださり、この祈りに答えて男の子を授けてくださいますなら、その子をきっとおささげいたします。 一生あなた様に従う者となるしるしに、その子の髪の毛を切らないことにいたします。」

12-13. エリは、ハンナのくちびるが動くのに、声が聞こえないので、酔っているのではないかと思いました。

14.  「酔っ払っているんだろう。 早くさましなさい。」

15-16. 「とんでもございません、祭司様。 酔ってなんぞおりません。ただ、あんまり悲しいので、胸のうちを洗いざらい神様に申し上げていたのです。 どうか、酔いどれ女だなどとお思いにならないでください。」

17.  「そうか、よしよし。 元気を出しなされ。 どんなことかは知らんが、イスラエルの神様が、あんたの切なる願いをかなえてくださるようにな。」

18.  「ありがとうございます、祭司様。」 ハンナは晴れやかな顔で戻って来ると、食事をして元気になりました。

19-20. 翌朝、一家はこぞって早起きし、宮へ行ってもう一度神様を礼拝し、ラマへと帰ったのです。 エルカナはハンナと床を共にしました。すると、神様はハンナの願いを聞いてくださったのです。 やがて男の子が生まれました。 ハンナは「あれほど神様に願った子供よ」と言って、サムエル〔「神様にお願いした」の意〕という名をつけました。

21-22. 翌年、エルカナはペニンナとその子供たちだけを連れて、シロへ年中行事のお参りに出かけました。 ハンナが、「この子が乳離れしてからにしてくださいな。 この子は宮にお預けするつもりなんですの」と、同行を取りやめたからです。

23.  エルカナはうなずきました。 「いいだろう。 おまえが一番いいと思うとおりにしなさい。 ただ、神様のおこころにかなうことがなされるように。」ハンナは、赤ん坊が乳離れするまで家で育てました。 

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