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サムエル記上 1:14-28 リビングバイブル (JLB)

14.  「酔っ払っているんだろう。 早くさましなさい。」

15-16. 「とんでもございません、祭司様。 酔ってなんぞおりません。ただ、あんまり悲しいので、胸のうちを洗いざらい神様に申し上げていたのです。 どうか、酔いどれ女だなどとお思いにならないでください。」

17.  「そうか、よしよし。 元気を出しなされ。 どんなことかは知らんが、イスラエルの神様が、あんたの切なる願いをかなえてくださるようにな。」

18.  「ありがとうございます、祭司様。」 ハンナは晴れやかな顔で戻って来ると、食事をして元気になりました。

19-20. 翌朝、一家はこぞって早起きし、宮へ行ってもう一度神様を礼拝し、ラマへと帰ったのです。 エルカナはハンナと床を共にしました。すると、神様はハンナの願いを聞いてくださったのです。 やがて男の子が生まれました。 ハンナは「あれほど神様に願った子供よ」と言って、サムエル〔「神様にお願いした」の意〕という名をつけました。

21-22. 翌年、エルカナはペニンナとその子供たちだけを連れて、シロへ年中行事のお参りに出かけました。 ハンナが、「この子が乳離れしてからにしてくださいな。 この子は宮にお預けするつもりなんですの」と、同行を取りやめたからです。

23.  エルカナはうなずきました。 「いいだろう。 おまえが一番いいと思うとおりにしなさい。 ただ、神様のおこころにかなうことがなされるように。」ハンナは、赤ん坊が乳離れするまで家で育てました。 

24. そののち、ハンナとエルカナは、まだ幼いその子をシロへ連れて行ったのです。 同時に、いけにえとして三歳の雄牛一頭、小麦粉三十六リットル、皮袋入りのぶどう酒をも携えて行きました。 

25. いけにえをささげ終えると、二人はその子をエリのところへ連れて行きました。

26.  ハンナが申し出ました。 「祭司様。 私のことを覚えておいででしょうか。 かつて、ここで神様に祈った女でございます。 

27. 子供を授けてくださいと、おすがりしたのです。 神様は願いをかなえてくださいました。 

28. ですから今、この子を生涯、神様におささげしたいのです。」 こうしてハンナは、神様に仕える者とするため、その子を預けたのです。

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