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使徒行伝 9:21-41 リビングバイブル (JLB)

21. そのことばを聞いて、人々はみな耳を疑いました。 「この人は、エルサレムで、イエスの弟子たちを迫害した張本人じゃないか。 ここへ来たのも、クリスチャンたちをみな縛り上げ、祭司長のもとへ引いて行くためだと聞いていたが……。」

22. しかしパウロは、ますます熱心に、イエスこそほんとうのキリストだと証明したので、ダマスコのユダヤ人たちはまるで訳がわからず、とうとう堪忍袋の緒が切れてしまいました。

23. しばらくして、ユダヤ人の指導者たちは、パウロ殺害を決議しました。 

24. そして、昼も夜も町の門を見張りましたが、いつしか、この陰謀はパウロの耳にも入ってしまいました。 

25. そこで、パウロの話を聞いて信者になった人たちが、夜の間に、彼をかごに乗せ、町の城壁からつり降ろしました。

26. エルサレムに着いたパウロは、クリスチャンの仲間に加わろうとしましたが、だれもパウロを仲間だとは信じられず、恐れるばかりでした。 

27. しかし、バルナバは違いました。 パウロを使徒たちのところへ連れて行き、事の一部始終を説明してやりました。 パウロがダマスコに向かう途中で主にお会いしたこと、また主がパウロに告げたことばや、それ以来パウロが、イエスの名によって力強い説教をしたことなど……。 

28. それで使徒たちも、ようやくパウロを受け入れました。 それからは、パウロはいつもクリスチャンと行動を共にし、主の名によって大胆に語りました。 

29. また、ギリシヤ語を話すユダヤ人と意見を戦わせることもありました。 ところが、彼らの中には、パウロのいのちをねらう連中がいました。 

30. それと知った信者たちは、パウロを故郷のタルソへ帰そうということになり、カイザリヤまで同行して見送りました。

31. こうして教会は、ユダヤ、ガリラヤ、サマリヤの至る所で無事に守られ、どんどん勢力を伸ばしていきました。 信者たちは、心から主を恐れつつ、聖霊に慰められながら生活することを学びました。ペテロの奇蹟

32. さて、ペテロは、ほうぼうの信者を訪問する旅の途中、ルダの町にもやって来ました。 

33. そこでアイネヤという人に出会いました。 話を聞くと、八年間も中風で寝たきりだそうです。

34. ペテロは、「アイネヤよ。 イエス・キリストが治してくださるのだ。 さあ起きて、自分でベッドを片づけなさい」と言いました。 するとどうでしょう。 アイネヤの病気は、たちどころに治ってしまいました。 

35. ルダとサロン一帯に住む人々はみな、アイネヤが元気に歩き回っている姿を見て、主イエスを信じるようになりました。

36. そのころ、ヨッパの町にドルカス〔かもしか〕という名の婦人が住んでいました。 クリスチャンで、いつも貧しい人たちのことに心を配り、何かと親切にしていました。 

37. ところが、このドルカスが病気で死んでしまったのです。 友人たちは、葬式の準備をし、遺体を二階に安置しました。 

38. ちょうど、ペテロが近くのルダにいるということなので、使いを出し、ぜひヨッパまで足を伸ばしてほしいと頼みました。 

39. ペテロは快く承知しました。 彼がヨッパに着くやいなや、人々は待ちかねたように、遺体が安置されている二階の部屋まで連れて上がりました。 そこは、生前ドルカスがめんどうを見てやった婦人たちで、いっぱいでした。 みな、ドルカスに作ってもらった服などを見せ合っては、涙にくれています。 

40. ペテロは、みんなを部屋から出し、やおらひざまずいて祈り始めました。 それから遺体のほうを向き、「起きなさい。 ドルカス」と声をかけました。 すると、なんということでしょう。 彼女が目を開けたのです! ペテロをじっと見、体を起こしたのです! 

41. ペテロは、いたわるように手を取って立たせ、一同を呼び入れました。 あっけにとられた人々の前に、ドルカスが立っています……。

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