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使徒行伝 21:9-28 リビングバイブル (JLB)

9. ピリポには、預言する力のある未婚の娘が四人いました。

10-11. 数日そこに世話になっているあいだに、やはり預言する力のあるアガボという人の訪問を受けました。 この人は、わざわざユダヤから来たのです。 アガボはパウロの帯を取り、それで自分の手足を縛ってから、言いました。 「聖霊様のお告げです。 『この帯の持ち主は、エルサレムでユダヤ人からこのように縛り上げられ、ローマ人に引き渡される。』」 

12. これを聞いた者はみな、この町のクリスチャンも、同行していた私たちも、声をそろえて、エルサレムへは行かないでほしいと、涙ながらに訴えました。

13. しかしパウロは、断固として決心を変えません。 「なぜ泣くのか。 私の心をくじくのはやめてくれ。 主イエス様のためなら、エルサレムで投獄されてもかまわないのだ。 いや、殺されてもいい、とまで覚悟しているのだ。」 

14. もうこれ以上何を言ってもむだです。 「主のお心のままになりますように」と言って、口をつぐむほかありません。

15. しばらくして、私たちは荷物をまとめエルサレムへ出発しました。 

16. カイザリヤのクリスチャンも幾人か同行し、エルサレムに着くとすぐ、最古参のクリスチャンの一人、キプロス島出身のマナソンの家へ案内してくれました。 そこに泊めてもらうことになっていたからです。 

17. エルサレムのクリスチャンはみな、私たちを心から歓迎してくれました。

18. 翌日、パウロは私たちを連れ、ヤコブをはじめエルサレム教会の長老たちに会いに出かけました。 

19. ひと通りあいさつがすむと、パウロは、この伝道旅行で、神がどれだけ多くのことを成し遂げてくださったかを、くわしく報告しました。

20. それを聞いた人々は心から神をほめたたえ、パウロに言いました。 「愛する兄弟よ。 ご存じとは思いますが、何千というユダヤ人もまた、主イエス様を信じるようになったのです。 彼らはクリスチャンになっても、ユダヤ人はユダヤの伝統と習慣を守り続けるべきだと強く主張しています。 

21. そこで困ったことがあるんですよ。 あなたがモーセの法律やユダヤ人の習慣に反し、子供に割礼(男子が生まれて八日目にその生殖器の包皮を切り取る儀式)を施すことを禁じているといううわさが、エルサレムに流れているのです。 

22. どうしたものでしょうね。 あなたが来たことは、必ず彼らの耳にも入るでしょうし……。

23. それでと言ってはなんですが、こうしたらどうでしょう。 ある誓願を立てて頭をそる人が四人います。 

24. この人たちを神殿に連れて行き、あなたもいっしょに頭をそり、彼らの費用を払ってやるのです。 そうすれば、うわさが事実無根であり、あなたはユダヤ人として、おきてもちゃんと守り、私たちと同じ考えであることが、よくわかってもらえるでしょう。

25. もちろん、外国人のクリスチャンには、このようなユダヤの習慣を押しつけるつもりは毛頭ありません。 ただ、前に手紙で知らせたように、偶像にささげた物を食べないこと、血を食べないこと、しめ殺された動物の肉は、血を抜かないままで食べないこと、不品行を避けること、これだけを守ってもらえばいいのです。」

26. パウロはこの提案を受け入れ、翌日、四人の人といっしょに儀式を受けるために宮へ行き、ほかの人たちともども、七日後に供え物をささげる誓いを立てたことを公表しました。

27. その七日目がようやく終わるという時、トルコから来た数人のユダヤ人が、宮の中でパウロを見つけたのです。 連中は群衆をそそのかしてどっと襲いかかり、 

28. パウロを押さえつけると大声で叫びました。 「おーい、みんな、手を貸してくれーっ! こいつは、とんでもないやつなんだ。 ユダヤ人に逆らえだの、おきてを守るな、だのとふれ回ってるんだ。 そればかりじゃないぞ。 神殿の規則に反することも教えている。 現に、外国人をこの神聖な場所に連れ込むようなまねを平気でやってるんだからな。」 

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