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使徒行伝 12:5-21 リビングバイブル (JLB)

5. 教会では、そのあいだ中、ペテロをお守りくださいと、熱心な祈りを神様にささげていました。

6. 処刑前夜、ペテロは二人の兵士にはさまれ、二重の鎖につながれて眠っていました。 牢獄の門の前には、ほかの番兵が立っています。 

7. そのとき突然、牢獄の中が、ぱっと光り輝き、主の使いが現われました。 御使いはペテロのわき腹をつついて起こし、「さあ、立って、立って。 急ぎなさい」と言いました。 そのとたん、鎖が手首からはずれました。 

8. 「身じたくを整えて、くつをはきなさい。」 ペテロがそのとおりにすると、今度は、「さあ上着をきて、ついて来なさい」と命じます。

9. ペテロは牢獄を出て、御使いについて行きましたが、その間ずっと、夢か幻でも見ているような気分で、どうしても現実のこととは思えません。 

10. 第一、第二の見張り所を通り抜け、とうとう町に通じる鉄の門の前までやって来ました。 するとその門も、ひとりでに開くではありませんか。 二人はなんなく外に出て、次の通りまで歩いて行きました。 そのとき御使いの姿は、かき消すように見えなくなりました。

11. ペテロは初めて我に返り、やっと何が起こったかに気づきました。 「夢じゃない、夢じゃないんだ。 主が御使いを遣わし、ヘロデの手から、またユダヤ人どものたくらみから、救い出してくださったのだっ!」 

12. 何もかもはっきりすると、彼は、マルコと呼ばれるヨハネの母マリヤの家へ急ぎました。 そこには大ぜいの人が集まり、祈っていました。

13. ペテロは玄関の戸を、どんどんとたたきました。 その音を聞きつけて、ロダという女中が取り次ぎに出て来ました。 

14. ところが、声の主がペテロだとわかると、喜びのあまり、戸を開けることも忘れて、そのまま家の中に走り込み、みんなに、ペテロが帰って来たと知らせました。 

15. しかし人々は、「気でも狂ったのか」と言って、取り合おうともしません。 しかし彼女があくまで言いはるので、「それじゃ、きっとペテロについている御使いだ〔とすると、ペテロは殺されたに違いない〕」と、言い合いました。

16. 一方ペテロは、そのあいだ中、戸をたたき続けていました。 やっと人々が出て来ました。 戸を開けた時の、彼らの驚きようといったらありません。 

17. ペテロは手ぶりでその場を静め、何が起こったのか、主がどのようにして牢獄から出してくださったかを話しました。 そして、「ヤコブやほかの信者たちにもこのことを知らせてほしい」と言って、安全な場所へ立ち去りました。

18. 朝になると、牢獄では、ペテロはいったいどこに行ったのかと、上を下への大騒ぎです。 

19. ペテロを引き出そうとしたヘロデは、ペテロがいなくなったと知るや、十六人の番兵を片っぱしから逮捕して、軍法会議にかけ、全員に死刑を宣告しました。 ヘロデはその後、カイザリヤに行き、しばらくそこにとどまりました。

20. ヘロデはツロとシドンの住民に激しい敵意をいだいていましたが、カイザリヤ滞在中に、この二つの町の代表者たちが、王の侍従ブラストに取り入って、和解を申し出ました。 というのも、二つの町は経済的にヘロデの国との交易に頼っていたからです。 

21. 会見の約束ができ、いよいよ、その当日です。 ヘロデは王服を着けて王座に座り、彼らに向かって演説を始めました。 

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