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ルカによる福音書 8:4-23 リビングバイブル (JLB)

4.  ある日、話を聞こうと、大ぜいの群衆が町々村々から押しかけたので、イエスはこんなたとえ話をなさいました。

5.  「一人の農夫が、種まきをしようと畑に出かけました。 種をまいているうちに、ある種は道ばたに落ちて、踏みつけられ、そのうち鳥が来て食べてしまいました。 

6. 土の浅い石地に落ちた種もありました。 それは芽を出したのですが、水分が足りないので、すぐ枯れてしまいました。 

7. いばらの中に落ちた種もありましたが、いばらがいっしょに生え出て、結局、生長できませんでした。 

8. しかし、中には良い土壌に落ちた種もありました。 それはぐんぐん育ち、まいた種の百倍もの実を結びました。」イエスは話しながら、「聞く耳のある人はよく聞きなさい」と、みんなの注意をうながされました。

9.  「このたとえはどういう意味なんですか。」弟子たちに質問されて、 

10. イエスはお答えになりました。「あなたがたには神の国を理解することが許されていますが、群衆はそうではありません。 だから、たとえで話すのです。 彼らは見たり聞いたりしても、少しも理解しようとしません。

11.  さて、このたとえの意味を説明しましょう。 種とは神の教えのことです。 

12. ある種が落ちた道ばたとは、神のことばを聞いても、受けいれない頑固な心を表わします。 やがて悪魔が来て、それを持ち去り、信じて救われるのをじゃまするのです。 

13. 次に、土の浅い石地とは、喜んで教えは聞くものの、ほんとうの意味で心に根を張れない状態のことです。 教えられたことはいちいちもっともだと納得し、しばらくの間は信じているのですが、迫害の嵐がやってくると、すぐにぐらついてしまうのです。 

14. いばらの中の種とは、聞いて信じても、その後、いろいろな心配事や金銭欲、また人生のさまざまな重荷や快楽などに、信仰を妨げられてしまう人のことです。 これでは、せっかく教えを聞いても、だれにも話して聞かせることができません。

15.  良い土壌とは、素直で正直な心の人を表わします。 こういう人は、神のことばを聞くと、それをしっかり守り、辛抱強くほかの人に話してあげるので、大ぜいの人が信じるようになるのです。」

16.  また、次のようなたとえ話もなさいました。「ランプをつけてから、すっぽりおおいをかけ、光をさえぎる人がいるでしょうか。 ランプはあたりを照らすように台の上に置くものです。 

17. これは、いつの日か、すべてのことが明るみに出されることを示しています。 

18. だから、どのように聞くか、よく注意しなさい。 持っている者はもっとたくさん与えられ、持っていない者は、持っているつもりの物までも、取り上げられてしまうからです。」

19.  ある時、母と弟たちがイエスに会いに来ました。 ところが、イエスが教えておられた家は黒山の人だかりで、とても中へは入れません。 

20. だれかが、「先生。 お母様と弟さんがたがお見えですよ」と知らせると、 

21. イエスはみんなを見回し、「わたしの母、わたしの兄弟たちとは、神のことばを聞いて、それを守る者のことです」とお答えになりました。イエス、嵐を静める

22.  そのころのことです。 ある日、イエスは弟子たちと舟に乗り込み、「さあ、湖の向こう岸に渡ろう」と言われました。 

23. 途中、イエスが横になられ、眠っておられると、風が出てきました。 風はだんだん強くなります。 恐ろしい嵐に、舟は水をかぶって、今にも沈みそうです。 もう一刻の猶予もなりません。

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