6-7. 「さあ、ここにひれ伏して、このおれ様を拝んでみろ。 そうすりゃあ、これらの国々とその栄光とを、全部やってもいいぜ。 何もかも、このおれ様のもの、おれ様の自由だからな。」
8. イエスはお答えになりました。 「『神である主だけを礼拝し、主にだけ従え』と聖書(旧約)に書いてあるではないかっ!」
9. さらに悪魔は、イエスをエルサレムへ連れて行き、神殿のてっぺんに立たせて言いました。 「さあ、ほんとうに神の子だと言うなら、ここから飛び降りてみろ。
10. 聖書には『神様は、御使いを送って、
11. あなたを支えさせ、あなたが岩の上に落ちて砕かれることのないように守られる』と、はっきり書いてあるんだから。」
12. しかしイエスは、お答えになりました。 「『あなたの神である主を、試してはならない』とも書いてあるっ!」
13. あの手この手と誘惑のかぎりを尽くすと、悪魔は一時、イエスから離れました。イエス、活動を始める
14. イエスが、聖霊の力に満たされてガリラヤにお戻りになると、まもなく、その地方一帯に評判が広まりました。
15. あちこちの会堂で教えをお語りになるイエスは、人々の賞賛の的でした。
16. それからイエスは、少年時代を過ごしたナザレにお帰りになり、いつものように、土曜日に会堂へ行かれました。 聖書を朗読しようと席を立つと、
17. 預言者イザヤの書が手渡されたので、次の個所をお開きになりました。
18-19. 「わたしの上に主の御霊がとどまっておられる。主は、貧しい人たちにこのすばらしい知らせを伝えるために、わたしを任命された。主はわたしを遣わして、捕虜には解放を、盲人には視力の回復を告げられる。踏みにじられている人を自由にし、主の恵みの年を告げられる。」
20. 朗読を終えると、聖書を閉じ、係りの者に返して、腰をおろされました。 みんなの目はいっせいにイエスに注がれました。