28. そう、わたしは父のもとからこの世に来ました。 そして、また世を去り、父のもとに帰るのです。」
29. 「それならわかります、先生! 少しもなぞめいたところはありません。
30. あなた様は何もかも、ご存じです。 差しで口など、とても口はばったくてできません。 あなた様は、確かに神様に遣わされた方です。」
31. 「やっと信じてくれるのですね。
32. ああ、でも時が来れば、あなたがたは、ばらばらに追い散らされます。 わたし一人を残して、見向きもせず、一目散に家に逃げ帰るのです。 いや、その時はもう来ています。 だが、わたしは一人ではありません。 父がついておられます。