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ヨハネによる福音書 12:9-27 リビングバイブル (JLB)

9.  エルサレムの市民は、イエスがおられると聞いて、どっとラザロの家に押しかけました。 イエスに会うためばかりではありません。 一度死んで生き返ったラザロを、一目見たいとも思ったのです。 

10. これには、祭司長たちも頭をかかえ込み、いっそのことラザロも殺してしまおうと相談しました。 

11. ラザロのことで、大ぜいのユダヤ人がユダヤ教から離れ去り、イエスをメシヤ(救い主)と信じるようになったからです。エルサレムにおけるイエスの最後の宣教

12.  翌日、イエスがエルサレムに向かわれるというニュースが町中に広まりました。 過越の祭りで上京した人々は、 

13. 「それ、イエス様をお迎えしろ」と、手に手にしゅろの枝を振りかざして駆けつけます。 沿道はたちまち人の波、波、波……。 あちこちで大歓声が上がります。「救い主様ーっ!イスラエルの王様ばんざーいっ!神の大使ばんざーいっ!」

14.  イエスはろばの子に乗っておられました。 こうして、預言どおりのことが起こったのです。

15.  「イスラエルの民よ。あなたがたの王を恐れるな。王は柔和で、ろばの子に乗って、来られるのだから。」

16.  〔この時、弟子たちにはまだ、この出来事が預言どおりに起こったとは、思えませんでした。 しかし、イエスが天にある栄光の座に帰られたあと、「そういえば、あの事も聖書にあるとおりだった。 この事も預言どおりだった」と、一つ一つ思い当たることばかりでした。〕

17.  群衆の中には、イエスがラザロを生き返らせる現場を目撃した人たちの顔もちらほら見られます。 彼らは事件の一部始終をふれ回っていました。 

18. こんなに大ぜいの人がイエスを出迎えたのも、実を言えば、そのすばらしい奇蹟のことを聞いたからなのです。

19.  この有様に、パリサイ人たちは、とうとうやけを起こしてしまいました。 「なんてことだっ! 見ろ。 みんな、あいつについて行ったじゃないかっ!」

20.  さて、過越の祭りに加わろうと、エルサレムに来ていた数人のギリシヤ人が、 

21. ベツサイダ出身のピリポのところへ来て、「先生。ぜひともイエス様にお会いしたいのですが」と頼み込みました。 

22. ピリポはアンデレにそのことを話し、二人でお願いしようということになりました。

23.  イエスはお答えになりました。 「いよいよ、わたしが天にある栄光の座に帰る時が来たのです。 

24. よく言っておきます。 畑にまかれる一粒の麦のように、わたしも地に落ちて死ななければなりません。 そうしなければ、いつまでたっても、一人のまま、一粒の種のままです。 だが、死ねば、多くの新しい実が生じ、新しいいのちが豊かに実を結ぶことになります。 

25. この地上のいのちを愛するなら、結局はそれを失うだけです。 しかし、地上のいのちに執着しなければ、代わりに永遠の栄光を受けるのです。

26.  わたしの弟子になりたい者は、ついて来なさい。 わたしに仕える者は、わたしのいる所にいなければならないのですから。 わたしに従う者を、父は重んじてくださるのです。 

27. だが、今いったい、わたしはどうしたらいいのでしょうか……。 『父よ。 行く手に待ちかまえていることからお救いください』と祈るべきでしょうか。 ああ、だが、このために、このためにこそ、わたしは来たのです……。 

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