旧約聖書

新約聖書

マタイによる福音書 26:49-66 リビングバイブル (JLB)

49. それで、ユダはまっすぐイエスのほうへ歩み寄り、「先生。 こんばんは」と声をかけ、さも親しげにイエスを抱きしめました。

50.  イエスが「ユダよ。 さあ、おまえのしようとしていることを、しなさい」と言われたその瞬間、人々はてんでに飛びかかり、イエスを捕らえました。

51.  その時、イエスといっしょにいた一人が、さっと剣を抜き放つと、大祭司の部下の耳を切り落としました。

52.  ところが、イエスは彼を制せられたのです。 「剣をさやに納めなさい。 剣を使う者は、自分もまた剣で殺されるのです。 

53. わからないのですか。 わたしが願いさえすれば、父が何万という御使いを送って、わたしを守ってくださるのです。 

54. しかし、もし今そんなことをしたら、こうなると書いてある聖書(旧約)のことばが実現しないではありませんか。」

55.  そして今度は、群衆に向かって言われました。 「剣やこん棒で、これほどものものしく武装しなければならないほど、わたしは凶悪犯なのでしょうか! わたしが毎日神殿で教えていた時には、手出しもできなかったではありませんか。 

56. だがいいですか、こうなったのはすべて、預言者たちのことばが実現するためなのです。」もうこの時には、弟子たちはみな、イエスを見捨てて逃げ去っていました。

57.  暴徒どもは、イエスを大祭司カヤパの家に引っ立てました。 ちょうど、ユダヤ人の指導者たちが、一堂に集まり、今や遅しと待ちかまえているところでした。 

58. 一方、ペテロは遠くからあとをつけて行き、大祭司の家の中庭にもぐり込みました。 そして兵士たちにまじって、イエスがどんなことになるのか見届けようとしました。

59.  そこには、祭司長たちやユダヤの最高議会の全議員が集まり、なんとかイエスを死刑にしようと、偽証する者を捜し回っていました。

60.  ところが、偽証した者は多かったのですが、その証言がみな食い違っているのです。 そうこうするうちに、やっとのことで、格好の証人が現われました。 二人の男が進み出て、 

61. 「こいつは、『神殿を打ちこわして、三日の間に建て直すことができる』と言っていました」と、証言したのです。

62.  大祭司はここぞとばかりに立ち上がり、イエスに問いただしました。 「さあ、黙っていないで答えたらどうだ。 ほんとうにそんな大それたことを言ったのか。 それとも言わなかったのか。」 

63. それでもなお、イエスは黙っておられます。 大祭司は続けました。 「生ける神の御名によって命じる。 おまえは神の子キリストなのかどうか。 さあ、はっきり答えてみろ。」

64.  イエスはお答えになりました。 「そのとおり、わたしがキリストです。 あなたがたは、やがてメシヤ(救い主)のわたしが、神の右の座につき、雲に乗って来るのを見るでしょう。」

65.  これを聞いた大祭司は、即座に着物を引き裂き、大声で叫びました。「冒涜だ! 神を汚すことばだ! これだけ聞けば十分だ。 さあ、みんなも聞いたとおりだ。 

66. この男をどうしよう。」一同はいっせいに叫びました。 「死刑だ、死刑だ、死刑にしろっ!」

完全な章を読みます マタイによる福音書 26