19. さあ、銀貨を出して見せなさい。」
20. 「ここに刻まれているのは、だれの肖像ですか、その下にある名前はだれのものですか。」銀貨を受け取ったイエスは問いただしました。
21. 「カイザル(ローマ皇帝)です。」「そのとおり。 ローマ皇帝のものなら、それはローマ皇帝に返しなさい。 しかし神のものは全部、神に返さなければなりません。」
22. 彼らはこの答えに驚き、返すことばもなく、すごすごイエスの前から立ち去りました。
23. ちょうど同じ日に、死後の復活などはないと主張するサドカイ人たちも来て、イエスに尋ねました。
24. 「先生。 モーセの法律では、ある男が結婚して子供のないまま死んだ場合、弟が兄の未亡人と結婚して、生まれた子供に兄のあとを継がせることになっていますね。
25. ところで、こういう場合はどうなるのでしょう。 七人兄弟の家族があって、長男は結婚しましたが、子供がないまま死んだので、残された未亡人は次男の妻になりました。
26. ところが、次男も子供がないまま死に、その妻は三男のものになりました。 しかし、三男も四男も同じことで、ついにこの女は、七人兄弟全部の妻になりましたが、結局、子供はできずじまいでした。
27. そして、彼女も死んだのですが……、
28. そうすると、復活の時には、彼女はいったいだれの妻になるのでしょう。 生前、七人とも彼女を妻にしたのですが。」
29. しかし、イエスは言われました。 「あなたがたは聖書も神の力もわかっていません。 思い違いをしています。
30. いいですか。 復活の時には、結婚などというものはありません。 みんなが天の使いのようになるのです。