チャプター

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  2. 2
  3. 3
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  10. 10
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旧約聖書

新約聖書

ヘブル人への手紙 10 リビングバイブル (JLB)

1. ユダヤ人のおきてによる古い制度は、やがてキリスト様が与えてくださるもののすばらしさを、かすかに味わわせてくれるにすぎません。 いけにえは、年ごとに何度もくり返されましたが、その制度下にある人たちを救えませんでした。 

2. もし救う力があるのなら、一度だけのいけにえで十分なはずであり、礼拝する人々はみなきよめられ、その罪意識も消えてしまったことでしょう。

3. ところが、事実は反対でした。 年ごとのいけにえは、人々の心をなごませるどころか、かえって、不従順と罪とを思い起こさせたのです。 

4. 雄牛とやぎの血では、実際に罪を取り除けないからです。

5. それゆえキリスト様は、この世に来られた時、次のように言われたのです。 「神よ。 雄牛や、やぎの血は、あなたの心にかないません。 それで、わたしに肉の体を与え、祭壇の上のいけにえとなさいました。 

6. 罪のためのささげ物として、あなたの前で殺されて焼かれる動物のいけにえでは、あなたは満足されませんでした。 

7. そこでわたしは、『まさに、聖書に書いてあるとおり、わたしはあなたの御心を行ない、いのちを捨てるためにまいりました』と申し上げたのです。」

8. すなわち、キリスト様は、古い制度が要求する、さまざまのいけにえやささげ物では、神様は満足されない、と語ったあとで、 

9. 「わたしはいのちを捨てるために来ました」とつけ加えたのです。キリスト様は、はるかにすぐれた制度を打ち立てるために、最初の制度を廃止されます。 

10. この新しい計画にそって、ただ一度死なれ、それによって、私たちは罪を赦され、きよくされているのです。 

11. 古い契約のもとでは、祭司たちは毎日、祭壇にいけにえをささげますが、それらは、決して罪を取り除くことができません。

12. しかしキリスト様は、いつまでも有効な、ただ一つのいけにえとして、私たちの罪のために、自分を神様にささげてくださり、そのあと、最も名誉ある神様の右の座について、 

13. 敵が足の下に踏みつけられる、その日を待っておられます。 

14. キリスト様は、この一度かぎりの行為によって、ご自分がきよめる人々をみな、永遠に、神様の目からも完全なものとしてくださったのです。

15. 聖霊様も同じ証言をなさいます。 

16. 「イスラエルの人たちは最初の契約を破りましたが、わたしが新たに彼らと結ぼうとしている契約は、これです。 わたしは、常にわたしの意志を知らせるために、おきてを彼らの心に書き記します。 そして、おきてを彼らの思いの中に据えるので、彼らは喜んでこれに従うようになります。」 

17. さらに聖霊様は、こうも言われます。 「わたしは、二度と彼らの罪と不法行為を思い出しません。」

18. このように、罪が永久に赦され、また、忘れ去られてしまうなら、罪を取り除くためのいけにえを、これ以上ささげる必要はありません。 

19. ですから、愛する皆さん。 今や私たちは、血を流されたイエス様のおかげで、神様のおられる至聖所に、堂々と入って行けるのです。 

20. この新しいいのちに至る道は、キリスト様が、ご自分の体という幕を引き裂くことによって、切り開いてくださいました。 私たちはこの道を通って、きよい神様の前に進み出ることができるのです。

21. また、偉大な大祭司が神様の家を支配しておられるのですから、 

22. 私たちは、まちがいなく受け入れられるという確信と、真実な心をもって、神様の前にまっすぐ進み出ようではありませんか。 私たちの心は、キリスト様の血を注がれてきよめられ、体は、きよい水で洗われているのですから。

23. いま私たちは、神様が約束してくださった救いを、希望をいだいて待ち望むことができます。 今や私たちは、一点の疑いもなく、救いが確実であることを、だれにでも話せます。 神様のことばは、必ず実現するからです。

24. 神様が成し遂げてくださった、すべてのことにこたえて、私たちも互いに助け合い、親切にし合い、善行に励もうではありませんか。

25. 教会員としての義務を怠ったり、集会を休んだりする人たちにならってはいけません。 主が再びおいでになる日は、もう間近なのですから、互いに励まし合い、忠告し合いましょう。

26. もし罪の赦しの真理を知ってから、ことさらに救い主を拒否して、罪を犯し続ける人がいるとしたら、そんな罪は、キリスト様の死によっても赦されません。 もはや、そんな罪を消す方法は、どこにもないのです。 

27. その人には、敵対する者を一人残らず焼き尽くす、神様の激しい怒りと恐ろしい刑罰が待っているだけです。 

28. モーセのおきてに従わなかった者たちは、その罪に対する二、三人の証言が得られれば、容赦なく殺されました。 

29. それならなおさら、神様のひとり息子を踏みつけ、罪をきよめるキリスト様の血を汚れたものとみなし、神様のあわれみを人々にもたらす聖霊様を侮辱し、はずかしめる者には、どんなに恐ろしい刑罰が下るか、胸に手をあて、よく考えてみなさい。

30. 私たちは、「正義はわたしのものである。 復讐はわたしがする」、また「主がその民をさばかれる」と断言された方を、よく知っています。 

31. 生ける神の御手に陥ることは、なんと恐ろしいことでしょう。

32. 初めてキリスト様を知ったころの、祝福されたすばらしい日々を、いつまでも忘れないようにしなさい。 また、死ぬほどの苦しみに会いながらも、主と共に戦い抜いてきた事実を、いつも心にとめていなさい。 

33. 時には、あなたがた自身があざけられたり、打ちのめされたりもしました。 また時には、同じ苦しみをなめている人たちに、心からの同情を寄せたりしました。 

34. 牢獄に捕らわれの身となった人たちと共に苦しみ、また全財産を奪われても、喜んで、それを耐え抜いた日々もありました。 その秘訣は、天にある、もっとすぐれたものを永遠に獲得できると、わかっていたからです。

35. このような、すばらしい祝福が待っているのですから、どんなことがあっても、主を信じ続けなさい。 やがて主から受ける報酬を、いつも思い起こしなさい。 

36. 神様の約束されたものを、そっくりいただきたいと願うなら、神様の御心を、忍耐強く実行しなければなりません。 

37. キリスト様のおいでになる日が、これ以上遅れることはありません。 

38. 信仰によって、神様の前に正しいと認められた人たちは、どんなことででも主を信じ、信仰によって生きなければなりません。 しりごみするような人を、神様は喜ばれません。

39. しかし私たちは、神様に背を向けたり、みじめな結果を見たりしたことは、これまで一度もありませんでした。 かえって、神様を信じる信仰が、たましいの救いを確実にしてくれるのです。